「can」と「be able to」の違いは？英語の「～できる」を意味する単語の使い分けを解説！

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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「～できる」という時に使う「can」と「be able to」の2つの表現。この2つには類似点がありますが、いくつか違いもあります。今回は、「can」と「be able to」のニュアンスの違いや使い分け方をわかりやすく解説します。

まずは「can」の意味から見ていきましょう。

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英語の「can」の意味

英語の「can」は、「能力的に可能」、「可能性がある」、「許可」、「不満・驚き・怒り」の4つの意味がある助動詞です。

どれも「できる」と訳せますが、それぞれ異なる感情のニュアンスが込められています。

発音記号は「kæn、kən」で、アメリカ英語では「キャン（ヌ）」、イギリス系英語では「カァン（ヌ）」と発音します。

「can」の過去形は「could」です。

「can」の使い方

「can」の使い方4つを確認しましょう。

「能力的に可能」を表す「can」

まずは「能力的に可能」という場合の例文を見てみましょう。

例文：I can speak five languages.
意味：私は五か国語を話せます。

例文：Brian can easily solve difficult math problems.
意味：ブライアンは難しい計算問題を簡単に解くことができます。

「可能性がある」を表す「can」

次に「可能性がある」という場合の例文を見てみましょう。

例文：It can rain this afternoon.
意味：今日の午後は雨が降るかもしれません。

「許可」を表す「can」

今度は「許可」を表す場合の例文を見てみましょう。

例文：Can I borrow your car tomorrow?
意味：明日、車借りてもいい？

例文：After you finish all your homework, you can eat cake.
意味：宿題が全部できたら、ケーキ食べていいわよ。

許可を与える英語表現というと、“You may…” 、“ You’re allowed to…”といった表現を思い浮かべるかもしれませんが、“can”を使ってシンプルに言い表わすこともできるので覚えておきましょう。

「不満・驚き・怒り」を表す「can」

最後に「不満・驚き・怒り」を表す場合の例文を見てみましょう。

例文：I can’t believe you do that！
意味：あなたがそんなことするなんて信じられない！

例文：where can she be？
意味：彼女はいったいどこにいるの？

「不満・驚き・怒り」を表す時に「can」を使う場合には、“how”や“where”と一緒に使われることが多いです。友達と言い争いをした時や想定外のことが起きた時に必ずといっていいほどよく耳にする言い方なので、ぜひ使い方をマスターしておきましょう。

英語の「be able to」の意味

「be able to」は「can」の言い換え表現です。

「able」には、「有能な」「巧みな」という意味があります。

「be able to～」は、形容詞である「able」にto不定詞で何ができるかの情報を付け足している形なので、「～する能力がある」というニュアンスで使われる助動詞です。

「able」の発音記号は「éibl」で「エイブル」と読みます。

「 be able to～」のbe動詞の部分は、前に来る主語によって変化します。
（I am able to～/ You are able to～/ He is able to～）

「be able to」の過去形は 「was / were able to」です。

「be able to」の使い方

「be able to」は主に能力や技術、状況による適性などを表す表現です。また、文章に助動詞、不定詞、完了形が入る時に使われます。

では、例文を見て使い方を確認してみましょう。

例文：Thanks to the new medication, he was able to recover from his illness quickly.
意味：新しい薬のおかげで、彼は病気から早く回復することができました。

例文：She was able to complete difficult projects as she had excellent time management skills.
意味：彼女は優れた時間管理スキルを持っていたため、難しいプロジェクトを完了することができました。

例文：He wanted to be able to play the piano well.
意味：彼は上手くピアノが弾けるようになりたかったんです。

「can」と「be able to」の違い

似た意味を持つ「can」と「be able to」ですが、2つの表現には違いもあります。
シーンや文脈に合わせて使い分けられるようになりましょう。

場面に合わせて使い分ける

「can」も「be able to」も「できる」という意味で使われますが、「be able to」は「can」よりやや硬い響きがあるのでカジュアルな場面ではあまり使われません。
ですから、初対面の相手やビジネスシーン、フォーマルシーンでは「be able to」を、カジュアルなシーンでは「can」を使うなど、場面で使い分けることが大切です。

日本語に当てはめてみると、「～できる？」とカジュアルに問う場合と、ビジネスの場面などで「～することは可能でしょうか？」と確認する場合のような違いです。

過去形のニュアンスの違い

「can」と「be able to」のもう1つの違いは、ニュアンスの違いです。

「can」の過去形は「could」、「be able to」の過去形は「was / were able to」ですが、「could」と「was / were able to」には少しだけ意味に違いがあります。

「could」は、“過去にその能力があった”ということを指します。それに対して「was / were able to」は、“過去一度きり「〜できた」”と表現する場合に使います。

では、それぞれの例文を見てみましょう。

例文：When I was a child, I could speak Chinese.
意味：子どもの頃は中国語を話せました。

例文：I was able to swim well only when I took the exam.
意味：私が上手に泳げたのは試験の時だけでした。

「could」と「was able to」は、過去形の否定文では、どちらも「～できなかった」という表現として同様に使えます。「could」は「couldn’t」、「was able to」は「wasn’t able to」となります。
過去形の疑問文の場合は、「Could you〜？」と「Were you able to〜？」を使い分ける必要があります。
「Could you〜？」は「～してくださいますか？」という丁寧な表現にも使われるので、「前にその能力がありましたか？」とききたいときに「Could you〜？」を使うと、意味が分かりづらくなってしまうことがあります。その場合には「Were you able to〜？」を使います。

主語で使い分ける

「can」と「be able to」の違いとしてあげられるもう1つの点は、「can」は主語を問わず使えますが、「be able to」は基本的に主語が人や生き物になるという点です。

物や事が主語の場合は「can」を使うので覚えておきましょう。

「be able to」は「can」以外の助動詞と一緒に使える？

「can」は助動詞なので、未来形の「will」などのほかの助動詞と一緒に使うことはできません。「will/would/should/may/must 」といった助動詞を用いる場合、その後ろにくる動詞は原形とする必要があるため、「助動詞 ＋ “be able to”」のみ使用できます。

では、例文を見て確認してみましょう。

例文：In another year, I will be able to speak English.
意味：あと一年もしたら、英語が話せるようになるでしょう。

例文：You may be able to watch movies for free today.
意味：今日は無料で映画が観られるかもしれません。

「be able to」を他の助動詞と組み合わせて使う場合は、その助動詞の後ろで「be」が原型となります。「助動詞 + be able to + 動詞の原型」という形になるので注意しましょう。

まとめ

今回は、「can」と「be able to」の違いや使い分け方を解説しました。この機会に「can」と「be able to」の使い方をしっかり覚えて積極的に使ってみてください。