英語で「繋ぐ」は「connect」で良い？「繋がり」「結ぶ」などの表現も紹介

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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日常生活の中では、「コードを繋ぐ」「ネットを繋ぐ」など複数のものを「繋ぐ」と表現する機会があります。
また、物理的なもの同士ではなく人と人、人と団体などを「繋ぐ」場合もありますが、これは英語ではどのように表現するのでしょうか？

今回の記事では、英語で「繋ぐ」「結ぶ」と表現したい時に使える動詞を紹介します。
「繋がり」「結び付き」などを表すことができる名詞も合わせて覚えておきましょう。

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「繋ぐ」「繋がる」「結ぶ」の英語表現

英語で「繋ぐ」や「結ぶ」と表現する場合、どんな単語が使えるのでしょうか？
「繋がる」や「繋がり」といった表現も合わせて見ていきましょう。

connect

「繋ぐ」という表現で最も一般的なのは動詞「connect」です。
複数のものを「繋ぐ」だけでなく、「接続する、結合する、結び付ける、結ぶ」というニュアンスも持っています。
複数のものを一つにしたり混ぜ合わせたりするのではなく、それぞれを独立させたまま何かの方法や道具などを使って接続・結合するイメージです。

発音記号は「kənékt（米国英語）、kʌˈnekt（英国英語）」で、カタカナ表記にしてみると「カネェクト」に近いです。

「connect」は、「電話・ネット・線路を繋ぐ」などもの同士を物理的に繋ぐ時でも、人間関係を結んだり人と組織を繋いだりする場合でも使える動詞です。

具体的に何と繋げるのかという情報を加える時は、前置詞「with～」や「to～」で表します。
基本的に、人や組織を繋ぐ場合には「with～」、もの同士を繋げる場合は「to～」です。

また「connect」を自動詞として使えば、「繋がる、接続する」というニュアンスが出せます。

例文：With the Internet, you can connect with people from other countries.
意味：インターネットを使えば、他の国にいる人とでも繋がることができます。

例文：Construction has begun to connect the station where the Shinkansen bullet train stops to the subway station.
意味：新幹線が停車する駅と地下鉄の駅を繋ぐ工事が始まりました。

例文：The two rivers flowing through the city connect here.
意味：市内を流れる2つの川はここで繋がります。

「connect」は「be connected」と受動態の形で使われることも多いです。

例文：The cord is properly connected to the computer, but it is not charging.
意味：コードはきちんとパソコンに繋がっているのに充電ができない。

「connect」の名詞形「connection」は、「繋がり、結合、接続」という意味です。

例文：Connecting with local people is useful when a disaster occurs.
意味：地域の人との繋がりは、災害が発生した時に役に立ちます。

link

動詞「link」は「結び付ける、繋ぐ、関連付ける、関係付ける」という意味で、「connect」と同じように使えます。
発音記号は「líŋk（米国英語）」で、カタカナ表記では「リンク」に近いです。

「link」は、名詞では「輪」を意味する単語です。
「輪」の形で繋がったものの内側では、それぞれの要素が行ったり来たりして循環することができます。
それで、動詞の「link」は複数のものが互いに関連し合っていたり、原因と結果の関係にあったりする場合に使われやすいです。

具体的に何と関連させるのかは、前置詞「to～」や「with～」を使って付け加えます。
「link～to / with…（～を…と繋ぐ、結び付ける）」という語順です。

例文：During his presentation, he linked this problem to last year’s product development data.
意味：プレゼンの中で、彼はこの問題点と去年の商品開発データを結び付けて説明した。

例文：This corridor links this office building to the shopping mall next door.
意味：この通路は、このオフィスビルと隣のショッピングモールを繋いでいます。

インターネットのウェブサイトへ飛ぶ「リンク」はこの言葉から来ています。

combine

「繋ぐ」と表現する時に使える「combine」は、「混ぜ合わせる、結び付ける、結合する」という意味の動詞です。
発音記号は「ˈkɑmbaɪn（米国英語）、ˈkɒm.baɪn（英国英語）」で、カタカナ表記にしてみると「カンバァィン（ヌ）」に近くなります。

「combine」は、それぞれを「繋ぐ」だけでなく「混ぜ合わせる」という意味合いがあります。
独立していた複数のものを一つにまとめて新しいものを作り出すというイメージです。

「combine～with…（～と…を結び付ける）」「combine～into…（～を結合して…にする）」というフレーズでよく使われます。

例文：Finally, combine the dough with the crushed nuts and pour into the cake mold.
意味：最後に生地と砕いたナッツを混ぜ合わせ、ケーキの型に流し込みます。

unite

動詞「unite」には複数のものを「結合する、合体させる、まとめる、団結させる」という意味があり、「繋ぐ」というニュアンスが出せます。
発音記号は「juːnάɪt（米国英語）、ˈju:ˌnaɪt（英国英語）」で、カタカナ表記にしてみると「ユゥーナァィトゥ」に近くなります。

「unite」は、同じ目的を持つ人々が、様々な違いや摩擦があってもそれを乗り越えて結合し一つになるという場合に使われやすいです。

何と合体・結合させるのかを具体的に述べる場合は、前置詞「to～」や「with～」を使います。
「unite～to / with…（～を…と合体させる）」という語順です。

例文：There is a plan to unite my town with a neighboring town.
意味：わたしの町を隣町と合併させる計画があります。

「unite」の形容詞形「united」は、「United Kingdom（イギリス）」などのように、様々な種類の人々が集まって一つの国を作った歴史を持つ国の名前に使われています。
「United States（アメリカ）」は、アメリカが「states（州）」の連合体であることを意味している国名表記です。

join

「繋ぐ」という表現には動詞「join」も使えます。
「接合する、結び合わせる、協力させる」などの意味を持っていて、複数のもの同士を直接接触させて繋ぐというイメージです。
発音記号は「dʒˈɔɪn（米国英語）、ˈdʒɔɪn（英国英語）」で、カタカナ表記にしてみると「ジョィン（ヌ）」に近くなります。

ある団体と人を結び合わせると表現すれば、「（団体・組織などに）加入する、参加する、仲間入りする」という意味合いが出せます。

例文：When a leak occurred, he quickly fixed it by joining two water pipes together.
意味：水漏れが起きた時、彼は水道管同士を繋いですぐに修理してくれました。

例文：Those who wish to join the organization must submit an application form.
意味：その団体に加入したい人は、申込書を提出する必要があります。

couple

動詞「couple」は、2つのものや対になっているものを「繋ぐ、連結する、合わせる、結び付ける」という意味です。
発音記号は「kˈʌpl（米国英語）」で、カタカナ表記にしてみると「カァプル」に近くなります。

「対になるものを繋ぐ」というニュアンスから「男女を結婚させる」という表現もできます。

例文：Couple this special cord with the Wi-Fi receiver, and you will be able to use the Internet immediately.
意味：Wi-Fiの受信機にこの専用コードを繋げば、すぐにインターネットが使えるようになります。

「couple」は名詞としても良く使われています。
主な意味は「1組の男女、男女のカップル、夫婦、恋人」です。

例文：He took the couple into the restaurant.
意味：彼はそのカップルをレストランに連れて行った。

bond

「bond」は「結び付ける、接着する、結合する」という意味を持つ動詞です。
複数のものや人をくっつけることから「繋ぐ」というニュアンスが出せます。
発音記号は「bάnd（米国英語）、bˈɔnd（英国英語）」で、カタカナ表記にしてみると「バァンドゥ」や「ボォンドゥ」に近いです。

例文：The experience of working together bonded me and him strongly.
意味：一緒に仕事をした経験は、わたしと彼を強く結びつけました。

「bond」は名詞としても使われ、その場合は接着剤など「接着させるもの」や縛ったり結んだりする「ひも、縄」などを意味します。
その意味から派生して、「人と人との感情面での強い絆や繋がり、結び付き」も表現できる単語です。
特に、友だち同士や恋人同士の間の絆を指します。

例文：The fact that we live far away from each other does not weaken the bond between me and my best friend.
意味：離れて暮らしていても、親友との絆が弱まることはありません。

tie

「tie」は単純に「結ぶ、縛る、くくる」という意味の動詞で、そこから「繋ぐ」というニュアンスが出せます。
発音記号は「tάɪ（米国英語）」で、カタカナ表記にしてみると「タァィ」に近いです。

「～で…を結び付ける」は「tie…with～」、「～に…を結び付ける」は「tie…to～」の語順になります。

例文：She tied some flowers with ribbon to make a beautiful bouquet.
意味：彼女は花を何本かリボンで縛ってきれいな花束を作った。

「tie」は名詞としても使われ、人同士の「繋がり、絆」を表すこともできます。
「bond」は一般的に友だちとの絆を指しますが、「tie」は主に家族の絆を意味します。

例文：I will do whatever it takes to strengthen my ties with my children.
意味：子どもたちとの絆を強くするためなら、何でもするつもりです。

ネクタイは、「neck（首）」と「tie（結ぶ）」が組み合わさってできている名前です。アメリカでは、ネクタイはシンプルに「tie」と呼ばれます。

bind

「bind」は、動かないようにするために「縛る、くくる、結び付ける、結び合わせる」という意味の動詞です。
また、人を対象に「結び付ける、団結させる」という意味でも使えます。
発音記号は「bάɪnd（米国英語）」で、カタカナ表記にしてみると「バィンド」に近いです。

ものが対象になる場合は「bind～with…（…で～を縛る）」、対象が人である場合は「bind～to…（～を…に結び付ける）」などのフレーズが使えます。

例文：Project members are bound by the same goals.
意味：プロジェクトメンバーは同じ目標によって結ばれています。

書類をまとめるバインダーは、この「bind」から来ています。

まとめ

今回の記事では、「繋ぐ」「繋がり」「絆」といった意味を持つ英語の動詞や名詞を紹介しました。
物理的なもの同士、また人と人、人と団体などを様々なものを「繋ぐ」と表現したい時に、スムーズに口にできるよう練習しておきましょう。