「サマータイム」を英語で言うと？「daylight saving time」などの表現を解説

ゆういちろう ライター

学習塾で英語講師として33年の経験。多くの受験生達の志望校合格を実現してきました。英検指導にも精通し、小学生から高校生までの英検取得を支援しています。英語教育に対する深い理解と情熱を持ち、常に最新の教育方法を取り入れて、読者にとって有益なコンテンツを提供しています。教育に関する専門知識を活かし、信頼性の高い記事を通じて、皆様の学びをサポートしていきたいです。

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日本では現在実施されていませんが、英語圏では「サマータイム」と呼ばれる制度を取り入れている国も多いです。
「サマータイム」とはどんな制度で、どんなメリットがあるのでしょうか？

この記事では、「サマータイム」を英語ではなんと呼ぶのか、また「サマータイム」を現在取り入れている国を紹介します。
「サマータイム」のメリット・デメリット、発端になった出来事も知識として知っておきましょう。

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「サマータイム」とは

海外のいくつかの国では、日照時間が増える春になると時計の針を1時間進め、日照時間が減る秋になると1時間戻すという取り組みをしています。
日本語では、「サマータイム」または「夏時間制度」と呼ばれている制度です。

「サマータイム」は、北半球の国では3月頃に始まり10月か11月頃に終わります。
一方、南半球の国では9月か10月頃に始まり4月頃に終了するのが一般的です。

英語で「サマータイム」は何と呼ぶ？

「サマータイム」という制度は、英語では2通りの呼び方が使われています。

daylight saving time

「サマータイム」を意味する英語一つ目は「daylight saving time」です。
省略して「DST」と記載されていることもあります。
アメリカやカナダ、オーストラリア、ニュージーランドで使われている呼び方です。

「daylight」は「日光、太陽光」、「saving」は「節約する、倹約する」を意味するので、訳すと「日光を節約（有効活用）する期間」となります。

例文：Daylight saving time is usually implemented from spring to fall.
意味：サマータイムは、通常春から秋にかけて実施されます。

例文：Since the U.S. is on daylight saving time, you will need to advance the hands of your clock when you arrive at the airport over there.
意味：アメリカはサマータイム中なので、向こうの空港に着いたら時計の針を進める必要があります。

例文：American students spend the daylight saving time period actively.
意味：アメリカの学生はサマータイムの時期をアクティブに過ごします。

summer time

イギリスを含めたヨーロッパ圏では、「サマータイム」はそのまま英語で「summer time」と呼ばれています。
省略形は「S.T.」です。

例文：Summer time in the northern hemisphere, including the UK, usually begins in March and ends in October or November.
意味：イギリスなど北半球のサマータイムは、通常3月に始まり10月か11月に終わります。

例文：When summer time starts every year, it takes a little time for the body to get used to it.
意味：毎年サマータイムが始まると、身体が慣れるまでに少し時間がかかります。

例文：This Sunday marks the end of summer time for this year.
意味：今度の日曜日で、今年のサマータイムは終了します。

「summer time」には、「夏、夏季、夏時」という意味もあります。

「サマータイム」の発端は？

国を挙げて取り組む「サマータイム」の始まりは、第一次世界大戦中のドイツとイギリスまで遡ります。
エネルギー消費を抑えるために時間を調節するというアイディアは大戦前から提案されており、一部の地域に限って実施されたこともありました。

しかし、大戦中にドイツとイギリスが初めて全国規模の「サマータイム」を取り入れます。
目的は、夜間の電力消費量を減らし節約できたエネルギーを軍事行動に使用するためでした。

それ以降、北アメリカやヨーロッパをはじめとする国々が「サマータイム」を導入しています。

「サマータイム」のメリット・デメリット

「サマータイム」は、メリットとデメリット両方を含んでいる制度です。

メリットとしてはやはり、太陽が出ていて精力的に仕事や活動ができる日中の時間が増えるという点が挙げられます。
明るい時間帯に多く活動できるのでエネルギーの消費が減り、省エネや節電にも繋がります。

特に夏の時期と冬の時期で日照時間が大きく変化する緯度の高い国で、こうしたメリットが大きくなります。

一方で「サマータイム」には、生活リズムが乱れてしまう、時間を切り替える時期に混乱を招くなどのデメリットもあります。
そのため、近年ヨーロッパでは「サマータイム」を廃止しようという動きが出ています。
逆にアメリカでは、一年間ずっと「サマータイム」を実施することで混乱を防ごうという提案もされています。

海外で「サマータイム」を取り入れている国は？

現在、英語圏で「サマータイム」を取り入れている国はどこでしょうか？
北半球ではアメリカ、カナダ、イギリスが、南半球ではオーストラリアとニュージーランドが「サマータイム」を実施しています。
英語圏以外では、フランスやドイツ、イタリア、スペインなどのヨーロッパの国々も「サマータイム」を取り入れています。

アメリカ、カナダ、オーストラリアの一部では、一年の日照時間の変化が少ないことや皮膚がんを防ぐためなどの理由で実施していない地域もあります。

「サマータイム」の開始日と終了日は、国によって異なります。
例えば、アメリカとカナダの「サマータイム」は3月の第2日曜日に始まり、11月の第1日曜日に終了します。
イギリスをはじめとするヨーロッパでは、3月の最終日曜日～10月の最終日曜日までが一般的です。

一方、南半球のオーストラリアでは10月の第1日曜日～4月の第1日曜日、ニュージーランドでは9月の最終日曜日～4月の第1日曜日となっています。

どの国でも基本的に、上記の日付の午前2～3時頃に時間が切り替わります。

日本での「サマータイム」の導入

日本では、太平洋戦争後の1948年～1951年に「サマータイム」が導入されていました。
目的は、戦後の復興のためにエネルギーを節約するためです。

この一時的な「サマータイム」が終了した1952年以降も、東日本大震災後の復興やオリンピックのために「サマータイム」を導入することは何度か検討されました。
現在のところ全国規模での実施は見送られていますが、独自に「サマータイム」を導入している企業や行政は存在しています。

「サマータイム」の反対語は？

「サマータイム」の反対語、つまり対照的な意味を持つ語としては、「standard time」を挙げることができます。
一つの国やある広い地域が共通で使う「標準時間」を意味する言葉です。

「standard time」は省略して「ST」と記載されることもあります。

例文：Since the daylight saving time period has ended, the hands of the clocks have been set back to standard time.
意味：サマータイムの時期が終わったので、時計の針を標準時間に戻しました。

例文：Standard times are fixed in each country or region.
意味：標準時間は国や地域ごとに決まっています。

まとめ

この記事では、アメリカやイギリスをはじめとする英語圏で導入されている「サマータイム」の英語での呼び方を紹介しました。
「サマータイム」とはどんな制度なのかや「サマータイム」を導入している国、導入するメリットやデメリットなどもしっかり頭に入れておきましょう。