「影響・効果」を意味する英語は「effect」？「affect」との違いも解説！

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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「effect」「affect」「impact」など、「影響・効果」「影響を与える」などの表現に関連した英単語はたくさんあります。
これらの単語をしっかり使い分けるには、それぞれの持つ意味や品詞、動詞の種類を理解しておくことが必要です。

今回は、「effect」「affect」をはじめ、「影響」「影響する」を意味する英単語の違いとそれぞれの使い方を解説します。

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英語の「effect」とは

まずは、「effect」という英単語の意味と使い方から確認しましょう。

「effect」の意味

「effect」は名詞また他動詞として使われる単語です。
名詞の場合には「効果、影響、結果、（～に与える）印象」という意味です。
何かの原因や現象が作用した結果として起こった物事や影響を指す言葉です。

「effect」の複数形は「effects」で、反対語には「原因、理由」を表す「cause」が使われます。
「cause and effect」で「原因と結果」となります。

「effect」は他動詞としても使われますが、この場合「～を引き起こす、～を発効させる、～を実行する」といった意味になります。
「影響を与える」という意味の動詞としては使えませんので注意しましょう。

「effect」の発音記号は「ɪfékt（米国英語）、ɪˈfekt（英国英語）」で、「イフェクト、エフェクト」に近い読みになります。

「effect」の使い方

名詞また他動詞である「effect」の使い方を例文で覚えましょう。

例文：The effects of the snow that has been continuing since last night are beginning.
意味：昨夜から続く雪の影響が出始めています。

例文：His attitude had a bad effect on his classmates.
意味：彼の態度はクラスメイトに悪影響を与えました。

例文：Jane’s idea had a significant effect on facilitating the project.
意味：ジェーンのアイデアは、プロジェクトを促進するという大きな効果をもたらしました。

例文：My sister became ill because of the effect of working late every night.
意味：毎晩遅くまで仕事をしていた影響で、妹は体調を崩しました。

例文：She believes her efforts will effect positive outcomes for the community.
意味：彼女は、自分の努力が地域社会に良い結果をもたらすと信じています。

英語の「affect」とは

「effect」と形も意味も似ている英単語に「affect」があります。
「effect」と「affect」の違いや使い分けも含めて紹介しましょう。

「affect」の意味

「affect」は主に他動詞として使われる単語で、「～に作用する、～に影響を与える、～に影響を及ぼす」という意味です。
また、「人の心に影響を与える」というニュアンスから「～の心を動かす、～を感動させる」という意味でも使われます。
過去形は「affected」です。

他動詞である「affect」の後ろには、必ず目的語が置かれることに注意しましょう。

「affect」は、心理学や精神医学の用語として使われることもあります。
この場合の意味は「感情、情緒、情動」などです。
複数形は「affects」と変化します。

「affect」の発音記号は「əfékt（米国英語）、ʌˈfekt（英国英語）」で、読み方は「アフェクト、アフェクトゥ」に近いです。

「effect」と「affect」の違いは？

「影響」や「影響する」、「影響を与える」といった表現をするために「effect」や「affect」を使う時、どのように使い分けたら良いのでしょうか？

まず、「影響・効果・結果」を指すなら名詞の「effect」を選びます。
一方、「～に影響を及ぼす、～に影響を与える」と言いたいなら動詞の「affect」がぴったりです。

原因になる現象や行為（cause）が、対象に影響を与える（affect）ことによってもたらされるのが効果や結果（effect）であると覚えておきましょう。

「affect」を使った例文

他動詞としての「affect」の使い方を例文で確認しましょう。

例文：A change in section managers will affect the entire sales department.
意味：課長の異動は、営業課全体に影響を及ぼすでしょう。

例文：The Corona disaster affected the way people work.
意味：コロナ禍は、人々の働き方に影響を与えました。

例文：Her sincerity affected Jack’s heart deeply.
意味：彼女の真摯な態度はジャックの心を深く揺さぶりました。

「影響」を意味する英単語いろいろ

「影響」や「影響する」、「影響を与える」と表現する時に使える英単語は他にもあります。
それらの単語の使い方を、「effect」や「affect」との違いと一緒に紹介しましょう。

impact

「影響を与える」と表現する「affect」以外の動詞は「impact」で、「強い影響を与える」と表現する時に使われます。
また、「影響、影響力、衝撃、衝突、反響、効果」などを意味する名詞にもなります。
発音記号は「ímpækt（米国英語）」で、読み方は「イムパクト」に近いです。

「impact」は、他動詞としても自動詞としても使うことができます。
他動詞として使う場合は後ろに目的語を置きます。
自動詞の場合は直後に前置詞が置かれることはありますが、目的語が置かれることはありません。
過去形は「impacted」です。

例文：Climate change will impact various ecosystems around the world.
意味：気候変動は世界中のさまざまな生態系に多大な影響を与えるでしょう。

例文：Its new products had a impact on its competitors.
意味：その新製品は競合他社に衝撃を与えました。

「affect」は「人の感情に影響を与える」と表現する時も使えますが、「impact」は人の感情を対象に使うことはできないので注意しましょう。

inspire

「人の感情や考えに影響を与える」と表現する時に使えるのが、他動詞「inspire」です。
具体的には「～を元気づける、～を感激させる、～を触発する、～を鼓舞する、～を刺激する、～を奮い立たせる、（感情など）を引き出す」という意味があります。
過去形は「inspired」です。

「inspire」の発音記号は「ɪnspάɪɚ（米国英語）、ɪnspάɪə（英国英語）」で、読み方は「インスパイア」に近いです。

「影響を与える」を意味する「inspire」は他動詞なので、必ず目的語が後ろに置かれます。
また、「inspire」の目的語は、「affect」や「impact」と異なり必ず人が来ます。物に対して物理的な影響や衝撃を与えるという意味では使えないので注意しましょう。

例文：His presentation inspired users to buy.
意味：彼のプレゼンはユーザーの購買意欲を刺激しました。

influence

「インフルエンサー」の語源になった「influence」も、「影響」や「影響を与える」と表現する単語です。
発音記号は「ínfluːəns（米国英語）、ˈɪnflu:ʌns（英国英語）」で、「インフルーエンス、インフルエンス」に近い読みになります。

「influence」は、名詞としても他動詞としても使える単語です。
名詞の場合は、「影響、効果、影響力、コネ、影響力のあるもの、影響力のある人」という意味を持ちます。
他動詞の場合は、「～に影響を与える、（人）を動かす、～に作用する、～を説得する」という意味で使われます。
過去形は「influenced」です。

例文：That teacher’s unique teaching style influenced  his students.
意味：あの先生の独特な教え方は、生徒たちに影響を与えました。

まとめ

今回は、「effect」「affect」「inspire」などを「影響・効果」「影響する」「影響を与える」などの表現をするのに欠かせない英単語を紹介しました。
それぞれの単語の持つ意味や品詞、動詞の種類をしっかり理解して使いこなせるようになりましょう。