英語で「環境」は「environment」でいい？「環境問題」「自然環境」の言い方も紹介

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

この著者の記事一覧へ

「環境」という言葉は、「自然環境」など大きな範囲の状態を表現する場合にも「職場環境」など自分の身の回りの状態を表現する場合にも使われます。

今回は、様々な「環境」を表現する英単語について、読み方や語源、使い分けも含めて解説します。
「環境問題」「生活環境」「環境に優しい」「子育て環境」「ネットワーク環境」など、日常生活でよく耳にする単語の英語表現を覚えて、使えるようになってくださいね。

 オンライン英会話探しをする人必見
おすすめのオンライン英会話

オンライン英会話57社を調査して厳選した「人気のおすすめオンライン英会話」のランキングをご紹介！

オンライン英会話の選び方から目的別のおすすめランキングが用意されているので自分にぴったりのオンライン英会話がきっと見つかります。

本当におすすめできる
人気オンライン英会話ランキングを確認

おすすめ通学型英会話教室はこちら

おすすめ人気の有名英会話教室・スクール比較ランキング10選【2024年最新版】 プロリア 英会話で申込みが多いおすすめ人気の有名英会話教室・スクールランキング10選【2024年最新版】は、英会話イーオン（AEON）、Berlitz（ベルリッツ）、NOVA、ECC外...

「環境」は英語で「environment」

「自然環境」「職場環境」などの「環境」を英語で表現する場合は、名詞「environment」を使うのが一般的です。
発音記号は「ɪnvάɪ(ə)rə(n)mənt（米国英語）、envάɪ(ə)rə(n)mənt（英国英語）」となります。
カタカナ表記をしてみると「インヴァイラメント、エンヴァイロメント」といった読みに近いでしょう。

「environment」は、取り巻く周囲の状態や状況、条件などを差して「環境」と言いたい時にまず選ばれる単語です。
「地球環境」「自然環境」など自然界の状態、生き物の「生活環境」、人の「社会的・文化的な環境」を表現する場合によく使われています。

さらに、「家庭環境」「職場環境」など比較的狭い範囲の「個人を取り巻く環境」や、コンピュータが作動する「システム環境」を指すことも可能です。
抽象的な意味で使われる場合も多く、精神的な影響を及ぼす環境を表現することもあります。

「environment」の語源

「environment」は、古フランス語の「environ」が元になった単語です。
「中に入れる」を意味する接頭辞「en-」 と「回路、周囲」という意味の「-viron」の組み合わせで、「周囲の状況の中にいる＝環境」という意味の言葉から来ています。

「environment」を使った熟語や例文

「environment」を使ったよく耳にする熟語や名称を紹介しましょう。

ここまで紹介した単語や熟語を例文で覚えましょう。

例文：It is said that as human life becomes more affluent, the natural environment is adversely affected.
意味：人間の暮らしが豊かになると、自然環境に悪影響が及ぶと言われています。

例文：Our living environment is related to our mental health status.
意味：わたしたちの生活環境は、メンタルヘルスの状態に関係しています。

例文：Each of us must do what we can to improve our work environment.
意味：わたしたち一人一人は、職場環境の向上のためにできることをしなければなりません。

例文：She grew up in a very privileged family environment.
意味：彼女は非常に恵まれた家庭環境で育ちました。

例文：Various policies have been put in place to strengthen the child-raising environment.
意味：子育て環境の改善のため、様々な政策が打ち出されています。

例文：We are updating the internet connection environment in the museum.
意味：博物館内のインターネット接続環境をアップデート中です。

例文：The Ministry of the Environment has released the last year’s data on forests.
意味：環境省は、森林に関する昨年度のデータを発表しました。

「環境問題」「環境に優しい」などの表現は？

「環境問題」「環境破壊」「環境に優しい」などの表現は、「environment」から派生した形容詞や副詞を使って表現します。
それぞれの単語の使い方や読み方を確認しましょう。

environmental

「environmental」は、「環境の、環境に関する、環境に配慮する、環境を破壊しない、環境保護の、周囲の」などの意味を持つ形容詞です。
発音記号は「ɪnvὰɪ(ə)rə(n)ménṭl（米国英語）、envὰɪ(ə)rə(n)ménṭl（英国英語）」になります。
カタカナ表記をしてみると「エンヴァイロメンタル、エンヴァイロメントウ」といった読みに近いでしょう。

「environmental」は、「取り囲んだ」を意味する「environ」と「状態の」を意味する「mental」の組み合わせです。

「environmental」は、「環境問題」「環境破壊」などを表現する際に以下のように使われます。

例文：There are many types of environmental problems.
意味：環境問題は種類がたくさんあります。

例文：The number of companies addressing environmental issues is increasing every year.
意味：環境問題に取り組む企業は、年々増加しています。

例文：That organization collects donations for environmental preservation in the province.
意味：この団体は、州内の環境保全のために寄付金を集めています。

「環境問題」の表現は様々あり、他に「懸案事項、懸念事項、心配」という意味の「concern」を使った「environmental concerns」という言い方も使われます。

environmentally

「environmentally」は、「環境保護に関して、環境的に、環境面で、環境上」などの意味を持つ副詞です。
発音記号は「ɪnvὰɪ(ə)rə(n)ménṭəli（米国英語）、ɪˌnvaɪrʌˈnmentʌli:（英国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「インヴァイラメンタリィ」に近くなります。

「environmentally friendly」という決まり文句は、「環境に優しい、環境に配慮した」を意味します。
また、「environmentally benign（環境面で無害な）」「environmentally clean（環境的にクリーンな）」などの表現も使われます。

例文：Ever since our establishment, we have been producing environmentally friendly products.
意味：創業以来、わたしたちは環境に優しい製品を生産してきました。

例文：Burning this product leaves only environmentally benign materials.
意味：この製品を燃やしても、環境に無害な物質しか残りません。

「環境に優しい」は、シンプルに「be good for the environment」とも表現されるので覚えておきましょう。

例文：We have been producing products that are good for the environment.
意味：わたしたちは環境に優しい製品を作り続けてきました。

environmentalist

「environment」から派生したもう一つの単語は「environmentalist」です。
名詞の一つで、「環境保護主義者、環境保全主義者、環境問題専門家、環境問題研究家、環境学者」などを指します。
「環境保護団体」は、この単語を使って「environmentalist contingent」と呼ばれます。

「environmentalist」の発音記号は、「ɪnvὰɪ(ə)rə(n)ménṭəlɪst（米国英語）、ɪˌnvaɪrʌˈnmentʌlɪst（英国英語）」です。
カタカナ表記をしてみると「エンヴァイアロンメンタリスト、エンヴァイロンメンタリスト」といった読みに近いでしょう。

例文：His mother is one of the region’s well-known environmentalists.
意味：彼の母親は、この地域で有名な環境問題専門家の一人です。

例文：In front of the station, environmentalist contingents are giving speeches.
意味：駅前では、環境保護団体が演説を行っています。

「環境活動家」は、「environmental activist」と呼ばれることもあります。

他にも「環境」を表す英語はある？

「environment」以外にも、「環境」を表す英語表現はあります。
よく耳にする表現3つを紹介しましょう。

surroundings

「environment」の方が使う頻度は高いですが、「surrounding」も「周囲の環境」を意味する名詞として使えます。
発音記号は「sɝˈaʊndɪŋ（米国英語）、sɜ:ˈaʊndɪŋ（英国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「サラウンディング、サランディング」に近いです。

「取り巻く環境」や「周囲の状況」を指す場合、基本的に「surroundings」と複数形で使われます。
複数形では「取り巻き、側近」を意味することもあるので、文脈を確認しましょう。

「environment」と「surroundings」にはどんな違いがあるのでしょうか？
「environment」が抽象的な環境も表せるのに対して、「surroundings」は主に人の身の回りや物の周囲を取り囲む物理的な環境を表します。
「生活環境」や「職場環境」など具体的な状況や自分の身近な周囲の環境を指す場合に、「surroundings」が使われやすいです。

一方で、「地球環境」「自然環境」などを表現する場合は「surroundings」よりも「environment」が使われる傾向にあります。

例文：Preparing the surroundings around the computer is essential to work efficiently from home.
意味：パソコン周りの環境を整えることが、在宅ワークを効率的に行うための基本です。

例文：I applied to this university because it had an excellent educational surroundings, including facilities and extracurricular learning.
意味：この大学を志望したのは、施設や課外学習などの教育環境がよく整っているからです。

circumstances

もう一つの「環境」というニュアンスを伝える英語の単語は、名詞「circumstance」です。
「（周囲の）事情、環境、状況、（人の置かれた）境遇」などを意味し、個人の経済状況や暮らし向きを表現することもできます。

「circumstances」の発音記号は「sˈɚːkəmst`æns（米国英語）、ˈsɜ:kʌˌmstæns（英国英語）」です。
カタカナ表記をしてみると「サーカマスタンス、サーカムスタンス、サカマスタンス」といった読みに近いでしょう。

「環境」という意味を持つ場合、「circumstance」も基本的に複数形「circumstances」の形で使われます。

例文：Studying in quiet circumstances like a library is very efficient.
意味：図書館のような静かな環境で勉強するのはとても効率的です。

例文：My family’s financial circumstances have improved when my mother went to work.
意味：母が働きに出たことで、わたしの家族の経済状況は改善しました。

things

「状況、事情、事態、物事」など幅広い意味を持つ「thing」も、「周囲を取り巻く環境」というニュアンスを伝えることができる単語です。
発音記号は「θíŋ（米国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「シング、スィング」に近くなります。
こちらも基本的に複数形「things」の形で使われます。

例文：With this appointment, things should change for the better.
意味：今回の人事で、事態は良い方向へ変化するはずです。

例文：Considering various things, I chose a vocational school instead of a university.
意味：様々な事情を考慮し、大学ではなく専門学校を選びました。

「環境」と「状況」で使う単語は違うの？

自分や社会を取り囲むものを表現する場合、「環境」だけでなく「状況」という単語も使うことがあります。
「周囲の状況」と表現する場合に使われやすい英単語も知っておきましょう。

「周囲の状況」という表現によく使われる英単語は、名詞「situation」です。
「（ある場所や社会、物事の）状況、状態、情勢、事態」を意味します。
発音記号は「sìtʃuéɪʃən（米国英語）、ˌsɪtʃu:ˈeɪʃʌn（英国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「スィチュエイション、シチュエイション」に近いです。

特定の「状況」を指す場合は前述の「circumstances」も使えますし、意味の広い「situations」は何かを取り巻く「環境」だけでなく「状況」も表すことができます。

例文：What is the current economic situation of his company?
意味：彼の会社の経済状況は今どうなっていますか？

例文：We worked all night to deal with this situation.
意味：この状況に対処するため、わたしたちは徹夜で作業しました。

例文：Compared to the previous circumstances, it is much easier.
意味：以前の状況と比べれば、ずいぶん楽になりました。

例文：Depending on the outcome of the negotiations, things within the sales department could change dramatically.
意味：交渉の結果次第では、営業部内の状況は大きく変わる可能性があります。

まとめ

この記事では、「自然環境」「環境問題」「職場環境」など日常生活でよく耳にする様々な「環境」の英語表現を解説しました。
地球環境など大きな範囲の環境・自分の身近な環境のどちらを表現するのに使われやすい単語なのかをしっかり把握して、使いこなせるようになっておきましょう。