英語で「面白い」は「fun」？「funny」「interesting」との違いも知ろう！

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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楽しい気持ちになった時や、思わず笑ってしまうものを見た時、さらには興味を惹かれるものに出会った時、日本語では「面白い」という表現を使います。
では、英語ではどんな単語や表現を使って、「面白い」というさまざまな気持ちを伝えるのでしょうか？

この記事では、「fun」「funny」をはじめとした「面白い」の英語表現の使い分けを解説します。

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日本語の「面白い」ってどんな意味？

日本語の「面白い」という語は、いくつかの場面で心の状態を表す時に使われる表現です。

例えば、愉快で楽しいと感じる時や興味深いものを見つけて心が引かれるという場合に使われます。
また、思わず笑ってしまうことを見たり聞いたりした時の心の状態を表すこともあります。

「面白い」を英語で言うと？

英語ではこの「面白い」という語をどう表現したら良いのでしょうか？
「面白い」と同じニュアンスを一言で伝える単語はないので、場面に合わせて適切な単語を選ぶことになります。

それでは、以下の3つの場面で使われる「面白い」を表す英語表現を紹介しましょう。

愉快で楽しい「面白い」

日常生活の中で「面白い」と表現したくなる一つ目の場面は、愉快で楽しい気分になった時でしょう。
この「面白い」を伝えるには、主に4つの単語が使われます。

fun

「fun」は、シンプルに「楽しい」という感情・気持ちを指す名詞です。
「楽しみ、面白さ、面白いこと、楽しいもの」という意味があります。

つい笑ってしまうような面白さが含まれていない物事にも使えるのが、「funny」と異なる点です。

例文：My trip to London was a lot of fun. I visited many famous tourist attractions.
意味：ロンドンへの旅はとても楽しかったです。有名な観光スポットをたくさん回りました。

「fun」は本来名詞ですが、日常会話などでは、「楽しい、愉快な、楽しい気分にさせてくれる」という意味の形容詞として名詞の前につけて使われることもあります。

例文：I’m looking for a fun event to go to with my little boy.
意味：幼い息子と一緒に行ける楽しいイベントを探しています。

enjoyable

直訳すると「楽しむことができる」と訳される「enjoyable」でも、愉快で楽しい様子を表現できます。
物事や経験、時間などを対象に使われ、人に対しては通常は使われません。

例文：I gave my parents a trip to spend some enjoyable time alone together.
意味：両親に旅行をプレゼントし、2人きりで楽しい時間を過ごしてもらいました。

例文：This facility offers a variety of enjoyable experiences, including bird watching.
意味：この施設ではバードウォッチングをはじめ、様々な楽しい体験ができます。

「enjoyable」のニュアンスには、思わず笑ってしまうような面白さは含まれません。一定の流れる時間の中などで状況を楽しむ感覚です。

entertaining

「entertaining」は、「面白い、愉快な、（人を）楽しませる」という意味の形容詞です。
特にエンタメ系のジャンルで、ショーやライブ、芸人の芸、バラエティー番組、ネットコンテンツなどが「面白い」と言いたい時に使われます。

例文：The soccer final I went to see yesterday was entertaining.
意味：昨日見に行ったサッカーの決勝戦は本当に面白かったよ。

例文：The animated film released last week was entertaining not only for children but also for adults.
意味：先週公開されたアニメ映画は、子どもたちだけでなく大人が見ても楽しめました。

exciting

ハラハラドキドキする「面白さ」や未来に起こる出来事に対して感じる「ワクワク感」は、「exciting」で表現します。
「刺激的な、心躍る、興奮させる、胸を躍らせる」といったニュアンスを持つ単語です。

例文：The travel plan she told me sounded very exciting.
意味：彼女が私に話してくれた旅行の計画はとても面白そうでした。

例文：The films produced by this director are exciting, and I can’t wait for the next one.
意味：この監督の制作する映画は面白くて、次回作が待ちきれない。

思わず笑ってしまう「面白い」

思わず笑ってしまう、笑いが止まらないなどの場面で使える英語表現も確認しましょう。

funny

「笑える面白さ、可笑しさ」を表現する時に使える形容詞は「funny」です。
シンプルに「楽しい、愉快だ」という感情を指す「fun」とはニュアンスが異なるので混同しないようにしましょう。

「主語＋be動詞＋funny」または「funny＋名詞」の語順でよく使われます。

例文：My grandfather always told me funny stories and made me laugh .
意味：祖父はいつも面白い話をして私を笑わせてくれました。

例文：She jots the story down in her notebook whenever she comes up with a funny one.
意味：彼女は面白い話を思いつくと自分のノートにそれを書き留めます。

「funny」は「奇妙な、変な、特異な、気分が悪い」という意味でも使われる形容詞です。
「面白可笑しい」「変な」「気分が悪い」のどの意味で使われているのかは、文脈で判断しましょう。

例文：Don’t you smell something funny in this room?
意味：この部屋、何か変な臭いがしない？

例文：I feel funny. Can I sit down?
意味：なんか気分が悪い。座ってもいい？

「funny」を「面白い」という意味で使う場合、状況や口調によっては皮肉に聞こえることもあるので注意してください。

hilarious

「funny」よりも強く「面白い」と感じた時に使うのが「hilarious」という形容詞です。
「とても面白い、人を笑わせる、抱腹絶倒の」という意味で、日本語で言うところの「マジウケる！」「超面白い！」に相当します。

例文：His jokes are hilarious!
意味：彼のジョーク、マジウケる！

例文：All the comedy movies starring that actor are hilarious.
意味：あの俳優が主演のコメディー映画、どれも超面白いんだ。

「hilarious」の一語で「とても」という強調も含まれるので、「very」「really」などの副詞を別に付ける必要はありません。

hysterical

「hysterical」は、「hilarious」よりもさらに強く「面白い」と感じた時に使われます。
「非常におかしい、非常に滑稽な、笑いが止まらない」といった意味です。

例文：The comedy act I went to see on Sunday was hysterical.
意味：日曜日に見に行ったお笑い芸、笑いが止まらなかったよ。

「hysterical」は、そもそも「ヒステリーを起こした」、「病的に興奮した」というネガティブな意味です。人が主語の場合、「怒り狂っている」や「平常心を失って興奮している」、「取り乱している」というような表現でも使われますので、文脈で意味を考える必要があります。

興味がそそられる「面白い」

日本語の「面白い」は、興味深いものや興味がそそられるものを見たり聞いたりした時にも使われる語です。
このタイプの「面白い」は、英語でどのように表現されるのか見ていきましょう。

interesting

人の興味を起こさせたり関心を引いたりする「面白さ」を表現する場合は、形容詞「interesting」が使えます。
ややフォーマル寄りのイメージのある単語で、相手の話が面白かった時やこれまで知らなかったことを知った時に使われることが多いです。

例文：This machine looks very interesting. How does it work?
意味：この機械はとても面白そうですね。どんな仕組みで動くのでしょうか？

例文：All the products he has developed are interesting.
意味：彼が開発してきた商品はどれも面白いです。

相手の話を全く面白く感じていない場合でも、皮肉を込めて「That’s interesting（面白いですね）」と返事をすることもあります。自分が言う場合には、相手にそのように感じさせないよう気を付けましょう。

intriguing

「intriguing」も、興味深いものや好奇心が掻き立てられるものを見たり聞いたりした時に使える形容詞です。
何かを魅力的に感じる、不思議がるという場面でも使われます。

例文：Next week’s speech contest for students will be intriguing.
意味：来週行われる学生たちのスピーチコンテストは面白いものになりそうだ。

例文：The ideas she proposed were very intriguing and unique.
意味：彼女が提案したアイデアは非常に興味深く独特なものでした。

captivating

「captivating」は、引き込まれて夢中になってしまうほどの興味深さを指す形容詞です。
「（人の注意を引き付けて）心を捉える・つかむ・とりこにする、魅惑的な、魅了する」といった意味があります。

例文：The CEO’s speech was captivating to the audience.
意味：そのCEOのスピーチは聴衆を魅了するものでした。

例文：The story was already captivating within three minutes of the film’s start.
意味：映画が始まって3分もしないうちに、そのストーリーにすっかり魅了されてしまった。

まとめ

今回は、「fun」「funny」「interesting」など英語で「面白い」と表現する時に使える単語を解説しました。
その時々の状況に応じて適切な「面白い」の表現を使い分けられるように練習しておきましょう。