英語で「難しい」は何と言う？日常会話やビジネスで使える言い換え表現も覚えよう

ゆういちろう ライター

学習塾で英語講師として33年の経験。多くの受験生達の志望校合格を実現してきました。英検指導にも精通し、小学生から高校生までの英検取得を支援しています。英語教育に対する深い理解と情熱を持ち、常に最新の教育方法を取り入れて、読者にとって有益なコンテンツを提供しています。教育に関する専門知識を活かし、信頼性の高い記事を通じて、皆様の学びをサポートしていきたいです。

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カジュアルな日常会話でもフォーマルなビジネスシーンでも、仕事や作業、状況、問題などに対して「難しい」と表現する場面は多いです。
英語にはこの「難しい」を意味する表現が非常にたくさんあり、ネイティブスピーカーは難しさの種類やシチュエーションで使い分けをしています。

この記事では、「難しい」を意味する基本の表現からカジュアル・フォーマルなイメージの単語まで紹介します。
それぞれの単語が持つ本来の意味やニュアンスを考えながら、実際に使い分けられるように練習しておきましょう。

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「難しい」「困難な」の基本表現

英語で「難しい」「困難な」と表現する時に使われる基本的な単語2つを確認しましょう。

hard

「難しい」「困難な」という意味でよく使われる英単語1つ目は「hard」です。
肉体的また精神的な面において、努力を必要とする仕事や難しさ・厳しさ・つらさ・大変さを感じる出来事などに対して使われます。
特に肉体的な難しさや困難さを表す場合には、この「hard」が適切です。

「It is hard to〜（〜するのは難しい・厳しい）」「It is hard for～to…（～にとって…するのは難しい・厳しい）」という定番フレーズもよく耳にします。

例文：Loading trucks is very hard work, but the pay is high.
意味：トラックに荷物を積む作業はとても大変な仕事ですが、給料は高いです。

例文：He has lost his job and is having a hard life.
意味：彼は失業してしまい、厳しい生活を強いられています。

例文：I think customer service jobs are hard because I have to deal with so many different people.
意味：接客の仕事は、いろいろな人と接する必要があるので難しいと思います。

例文：It is hard for me to find a new job.
意味：私にとって、新しい仕事を見つけるのは難しいです。

「hard」は、本来「物理的に硬いこと」を意味します。
力を加えても簡単には形状が変わらないというニュアンスから、「難しい、困難な」という意味が派生しました。

difficult

英会話でよく使われる基本の「難しい」「困難な」の表現2つ目は「difficult」です。
「hard」が主に肉体的・精神的に難しいという状況で使う単語なのに対して、「difficult」は特別の知識やスキル、判断力が必要な問題や仕事に対して使われます。
その物事を理解したり解決したりすることが、自分の持っている知識やスキルでは難しいという状況です。

「It is difficult to〜（〜するのは難しい・困難だ）」「It is difficult for～to…（～にとって…するのは難しい・困難だ）」という定型文もよく使われます。

例文：I have never had a more difficult job in my life.
意味：これほど難しい仕事は、これまでにしたことがありません。

例文：This is a very difficult problem and we sought expert opinion to help us solve it.
意味：これは非常に難しい問題なので、解決のために専門家の意見を求めました。

例文：It is difficult to be successful in a designer’s job.
意味：デザイナーという仕事で成功するのは難しいです。

例文：It is difficult for me to carry out this project alone.
意味：一人でこのプロジェクトを進めるのは難しいです。

日常会話での「難しい」「困難な」の表現

親しい相手とのカジュアルな会話では、ネイティブスピーカーは「hard」「difficult」の他にも様々な「難しい」「困難な」の表現を使っています。
よく使われている4つの表現を紹介しましょう。

tough

「難しい」「困難な」を意味するカジュアルな単語は「tough」です。
「物が丈夫で堅い」という本来のニュアンスから、「骨の折れる、困難な、厳しい、きつい」という意味でも使われるようになりました。
対処が難しい問題を抱えていたり、仕事や置かれている状況などがきついと感じたりする時に使える表現です。

「tough for〜（〜にとって難しい）」「It be tough to〜（〜することが難しい）」という定型文も使われます。

例文：This assignment was so tough that it took six months to complete.
意味：この課題はとても難しかったので、完了まで半年かかりました。

例文：I think those conditions are too tough for her.
意味：その条件は、彼女にとって厳しすぎると思うよ。

例文：Completing my thesis was quite tough.
意味：卒業論文を完成させるのはかなり難しいことでした。

「tough」は、日本語の「タフ（身体や精神が強い、頑丈）」の語源です。
英語でも、「難しい、困難な」という意味だけでなく「肉体的に頑丈な、精神的にたくましい」などの意味でも使われます。

tricky

カジュアルな日常会話で使える「難しい」「困難な」の表現2つ目は「tricky」です。
「複雑で扱いにくい、ややこしい、手間がかかる」というニュアンスを持っています。
手順や対処方法が複雑で、上手く処理するのに注意やスキルを要する仕事・作業・状態・問題などいろいろな状況で使うことができます。

例文：The quizzes my dad gives are interesting but quite tricky.
意味：パパが出すクイズは面白いけどかなり難しいよ。

例文：My grandma’s apple pie recipe is so tricky that I still can’t make it.
意味：おばあちゃんのアップルパイはレシピが複雑で、わたしはまだ作れないの。

例文：This problem is tricky because several departments are involved.
意味：この問題はいくつかの部署が関係しているから厄介なんだ。

「tricky」は和製英語の「トリッキー」の由来になった単語です。
しかし「トリッキー」は「奇をてらった」という意味がメインなので、英語の「tricky」とは少しニュアンスが異なることに注意しましょう。

stiff

仕事や試験などに対して「厄介だ、手ごわい」と感じる時に使える単語は「stiff」です。

「stiff」は、本来「物が堅い（固い）こと、こわばっていること」を意味します。
硬くて曲がったり伸びたりしないというニュアンスから、「厄介で難しい」という意味でも使われるようになりました。

例文：The certification exam I take next month is very stiff for me.
意味：来月受ける資格試験は、わたしにはとても手ごわいです。

例文：He finished that stiff job in one day.
意味：彼はあの厄介な仕事を1日で終わらせた。

例文：There is a lot of competition for this service, so it will be stiff to attract customers.
意味：このサービスには競争相手が多いため、顧客の獲得は難しいでしょう。

sticky

「sticky」は、主にイギリス英語で使われるカジュアルな「難しい」「困難な」の表現です。
元々は「粘着性のある、粘り気のある、粘つく、ねばねば・べたべた・べとべとする」という意味を持っています。
この意味から派生して、ある状況や問題、結果などに対して「難しい、厄介な、やりにくい」と表現する際にも使うようになりました。

カジュアルなイメージを持つ表現ですが、ビジネスシーンでも使われることがあります。

例文：Her family seems to be in a sticky situation right now.
意味：彼女の家族は今、難しい状況に置かれているようです。

例文：That new employee often causes sticky problems.
意味：あの新入社員はよく厄介な問題を引き起こしています。

例文：I don’t know what to do about some of these sticky problems.
意味：厄介な問題がいくつかあって、どうしたらいいかわからないよ。

ビジネスシーンでも使える「難しい」の表現

最後に、ビジネスシーンでも使えるフォーマルなイメージの「難しい」を覚えましょう。

troublesome

フォーマルな場面でよく使われる「難しい」の表現は「troublesome」です。
「困難な、骨の折れる」というニュアンスで、特別なスキルが必要な問題というよりも解決までに面倒・厄介なプロセスを必要とする仕事や問題に対して使います。

物事だけでなく人を対象に使うこともでき、その場合は「面倒な人、厄介な人」という意味になります。

例文：After taking on this task, I realized that this was a very troublesome job.
意味：この仕事を引き受けた後で、これが非常に面倒な仕事であることに気づきました。

例文：The section manager who was transferred last week was a very troublesome person.
意味：先週異動してきた課長は、とても面倒な人だった。

problematic

「problematic」という単語も、ビジネスシーンなどで「難しい」を表現する時に使われます。
「解決の難しい問題、難問」を意味する名詞「problem」の形容詞形です。
使い方は「troublesome」と似ていて、解決するのが難しかったり一筋縄ではいかなかったりする厄介な問題に対して使います。

例文：It may be problematic to make this event happen.
意味：このイベントを実現させるのは難しいかもしれません。

例文：If this project, sponsored by many companies, comes to a standstill, it will be problematic.
意味：多くの企業が協賛するこのプロジェクトが行き詰まったら問題になります。

delicate

頭脳や体力が必要な問題ではなく気配りや気遣いが必要な問題に対して使われるのは「delicate」です。
元々の「繊細な、壊れやすい」というニュアンスから、問題などが「扱いにくい、慎重な扱いを要する、細心の注意を要する」という意味で使われるようになりました。

例文：I was given a very delicate task to handle.
意味：非常に扱いづらい仕事を任されてしまいました。

例文：After many delicate negotiations, we finally reached a contract with that client.
意味：難しい交渉を何度も行って、ようやくあのクライアントとの契約に漕ぎつけました。

challenging

動詞「challenge」の現在分詞形「challenging」も、ビジネスシーンで「難しい」を表現する時に使われる単語です。
仕事や課題、問題、テストなど様々な状況で使うことができ、「困難だがやりがいがある」というポジティブなニュアンスを含んだ「難しさ」を表現できます。

例文：He began to work on tasks that were more challenging for him.
意味：彼は自分にとってより難しい課題に取り組み始めました。

例文：For this project, I was given the challenging role of team leader.
意味：今回のプロジェクトでは、チームリーダーという難しい役割を与えられました。

complex

「complex」は「複雑な、入り組んだ、手間のかかる」などの意味を持つ形容詞です。
物事を構成する要素が多かったり、理解するために特別な知識を必要としたりして、物理的・客観的に複雑で難しいと感じる状況で使われます。
「複雑な機械」「複雑な工程」のような表現もできるため、常にネガティブなニュアンスで使われる単語というわけではありません。

例文：Today’s lesson is too complex for me.
意味：今日の授業の内容は、わたしにとって複雑すぎます。

例文：The process of developing a new product is complex, but if successful, it is expected to attract a large number of users.
意味：新製品の開発プロセスは複雑だが、成功すれば多くのユーザーを惹きつけることが期待できます。

complicated

「complicated」もビジネスシーンでも使える「難しい」の表現です。
仕事内容や物事の理解、問題の処理などが非常に複雑で面倒であることを表せます。

意味は「complex」と似ていますが、「complicated」はマイナスのイメージを含んで使われることがほとんどです。

例文：It is a very complicated situation, but I think she can handle it well.
意味：非常に込み入った状況ですが、彼女なら上手く対応できると思います。

例文：We must somehow solve this complicated problem.
意味：この複雑な問題を何とか解決しなければなりません。

まとめ

この記事では、仕事や作業、状況、問題などを対象に使われる「難しい」「～するのは難しい」という英語表現を解説しました。
日常会話で使える基本の表現とビジネスシーンに適切な表現、さらにそれぞれのニュアンスも覚えて使い分けられるようになっておきましょう。