英語の「home」「house」の違いを知ろう！品詞や一緒に使う前置詞の違いも解説

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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「家」と訳せる英語には、「home」と「house」という2つの単語があります。
どちらも同じ意味に思えますが、ネイティブは文脈やシーンによってしっかり使い分けているのです。

今回の記事では、英語の「home」「house」の品詞や意味合いの違いを解説します。
この2つの単語以外で「家」を表せる表現も紹介するので、合わせて覚えておきましょう。

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「家」を意味する「home」と「house」の違いは？

「home」と「house」は、どちらも「家」を指して使われる単語です。
「home」の発音記号は「hóʊm（米国英語）、hˈəʊm（英国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「ホゥム」に近いです。
一方「house」は発音記号が「hάʊs（米国英語）」で、カタカナ表記では「ハゥス」に近くなります。

この2つの単語は一見同じ意味に思えますが、それぞれの単語には品詞や意味合いの点で違いがあります。
また、一緒に使われる前置詞もそれぞれ異なるのです。

では、「home」と「house」それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

「home」「house」は品詞が違う

「home」と「house」の一つ目の違いは品詞が異なる点です。
それぞれどんな品詞としての役割を持つのか確認しましょう。

「home」は形容詞や副詞にもなる

「home」は主に名詞、形容詞、副詞として使われる単語です。

名詞の場合は、「住居、住まい、我が家、自宅、世帯、家庭」といった意味です。
他に「故郷、故国、本部、本拠地」という意味や、動物・植物の「生息地、生育地」という意味でも使われます。

例文：They built a beautiful new home last year.
意味：彼らは去年、美しい新居を建てました。

例文：I feel most comfortable at home.
意味：私は家にいる時が一番くつろげます。

例文：The children’s home needs volunteers.
意味：児童養護施設はボランティアを必要としています。

「home」を形容詞として使う場合、「家庭の、家庭に関する」という意味です。
また「故郷の、本国の、国内の、本部の、本社の、本拠地の」といった意味でも使います。

例文：Children in this region learn how to cook home-cooked meals from a young age.
意味：この地域の子どもたちは小さい頃から家庭料理の作り方を学びます。

例文：The home office of the company is in Los Angeles, USA.
意味：その企業の本社はアメリカのロサンゼルスにある。

副詞「home」は、「自宅へ、わが家へ、家にいて、在宅して」という意味です。
「故郷へ、故国へ」という意味や、「（ぴったりと）中心に、狙った場所に」という意味も含まれます。

例文：On her way home, she has dinner at a shopping mall in front of the station.
意味：彼女は自宅へ帰る途中、駅前のショッピングモールで夕食を取ります。

例文：My father was home all of yesterday, waiting for the company to call him.
意味：父は昨日ずっと家にいて、会社から電話がかかってくるのを待っていた。

例文：My daughter is leaving home as soon as she starts college.
意味：娘は大学に入学すると同時に家を出ようとしています。

「home」は他に「家・自宅に戻る、帰郷・帰国する」という意味の動詞として使うこともあります。

「house」は主に名詞として使う

「home」が様々な品詞としての役割を併せ持つのに対して、「house」という単語は主に名詞として使われます。
「家、住宅、家屋」以外に「宿舎、劇場、旅館、レストラン、議事堂、裁判所、税関」などの公共の建物も指すことがあります。

例文：The couple next door renovated their house and began living with their parents.
意味：隣の夫婦は家を改築して、両親と一緒に暮らし始めました。

例文：Every day I go for a walk in the sports park right in front of the courthouse.
意味：毎日、裁判所の目の前にある運動公園に散歩に行きます。

「house」は他に「～を家に住まわせる、～に家を提供する」という意味の動詞として使うこともあります。

「home」「house」は意味合いが違う

「home」と「house」の二つ目の違いは、同じ「家」という意味で使われていても含まれるニュアンスが異なる点です。
それぞれの単語の持つニュアンスを見ていきましょう。

「home」は人が住み愛着を感じている場所

「home」は、単純に「家」という物理的なものを指すだけではなく、そこが人や家族が住む生活空間である点に注目します。
その「家」はくつろげる場所、落ち着ける場所、団らんを楽しむ場所だ、といった話し手の温かい感情や愛着も含まれた表現なのです。

例文：My car got stuck in traffic and I finally made it home at midnight.
意味：車が渋滞に巻き込まれ、夜中にやっと家にたどり着いた。

例文：No matter how tired I am from work, I can relax when I come home.
意味：仕事でどんなに疲れていても、家に帰ってくるとリラックスできるんです。

「house」は物理的な家や建物

「home」と異なり、「house」は単純に物理的な「家、住居、建物そのもの」を意味する単語です。
「家」という意味で使う場合は、特に「一軒家」「一軒の住居」といった他と区切りがはっきりしている建物を指します。

例文：His house was designed by a famous designer and has a stylish appearance.
意味：彼の家は有名なデザイナーがデザインしたので、おしゃれな外観をしています。

例文：The house I lived in when I was a small child was very conveniently located near a train station.
意味：小さい頃に住んでいた家は、駅が近くとても便利な場所にありました。

「home」「house」は一緒に使う前置詞が違う

「home」と「house」の三つ目の違いは、一緒に使われる前置詞が異なることです。
基本的に「home」は「at」、「house」は「in」と一緒に使われます。

「home」と一緒に使われるのは「at」

「home」は感情面で愛着を感じている場所、安心できる場所である家を指すので、前置詞は「at」が使われます。
「at home」と言えば「自宅に、自分の家で、在宅して」という意味の他に、「くつろいで、気楽に」といった意味合いも含みます。

例文：She plans to spend the entire weekend at home watching movies.
意味：今週末、彼女はずっと家で映画を見ながら過ごすつもりです。

例文：I’m used to using this cafe often and feel very much at home.
意味：何度もこのカフェを利用しているので、とてもくつろいだ気持ちになれる。

「house」と一緒に使われるのは「in」

「house」は単純に物理的な家を指す単語なので、一緒に使われる前置詞は「in」です。
物理的に「家の中にいる」ということを意味します。

例文：It still rains today, so the children have been playing in the house all day.
意味：今日も雨が降り続いているので、子どもたちはずっと家の中で遊んでいます。

例文：On my next vacation, I plan to redecorate all the furniture in this house.
意味：次の休暇では、この家の中の家具をすべて模様替えする予定です。

「家」を指す他の英単語は？

「home」「house」以外で様々な「家」を表す単語も覚えておきましょう。

apartment

アメリカ英語では、共同住宅、つまりアパートや賃貸マンションのことを「apartment」と呼びます。
発音記号は「əpάɚtmənt（米国英語）、əpάːtmənt（英国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「アパァー（ル）トゥマン（ト）」に近いです。

一つの建物としての「アパート」は「apartment house」と表現します。
「apartment」はその中の一家族分の空間を指す言葉です。

例文：He rents an apartment for his son, who is attending college.
意味：彼は大学に通う息子のためにアパートを1室借りています。

例文：My grandmother lives on rental income from several apartment houses she owns.
意味：祖母は所有するいくつかのアパートからの家賃収入で暮らしています。

flat

イギリス英語ではアパートのことを「flat」と呼びます。
発音記号は「flˈæt（米国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「フラｧッ（ト）」に近いです。

例文：She has lived in this flat for three years.
意味：彼女はこのアパートに3年住んでいます。

例文：The flat was built 30 years ago, and rents are low.
意味：このアパートは30年も前に建てられているので家賃が安いです。

mansion

日本語の「マンション」の元になった「mansion」は、本来の英語では「大きな邸宅、豪邸、屋敷」を指す単語です。
発音記号は「mˈænʃən（米国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「マァンシャン（ヌ）」に近いです。

日本で言う「マンション」とは別のものを指すので注意しましょう。

例文：The mansion is occupied by one of the senators.
意味：その邸宅には上院議員の一人が住んでいます。

例文：One of his classmates lives in a mansion with extensive grounds.
意味：クラスメイトの一人は、広い敷地を持つ屋敷に住んでいます。

condominium

アメリカ英語では「分譲マンションの一部屋」を「condominium」と呼びます。
発音記号は「kὰndəmíniəm（米国英語）、k`ɔndəmíniəm（英国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「カァンダァミィニィアム」に近いです。

通常の会話では省略して「condo」と表現する場合が多いです。

例文：My parents bought a condo for sale by the sea and moved out.
意味：両親は海沿いの分譲マンションを買って引っ越しした。

例文：We often come across advertisements for condominiums that are for sale.
意味：分譲マンションの売り出し広告をよく見かけます。

residence

「residence」は「house」よりも改まった場面でよく使われる表現で、大きくて立派な住宅を指します。
文脈によって日本語訳には「住居、住宅、邸宅、豪邸」などが使われます。
また、「官邸、官舎、公邸、大学の寮、居住地」を指すこともあります。

発音記号は「rézədns（米国英語）、ˈrezɪdʌns（英国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「レェザァダァンス」に近いです。

例文：The residence features a spacious Japanese garden in its courtyard.
意味：その邸宅の中庭には広い日本庭園があります。

例文：My father is responsible for managing the Prime Minister’s residence.
意味：父は、総理大臣公邸の管理を任されています。

housing

「housing」は、住宅や住居、住まいに関連する様々なものを指す単語です。
発音記号は「hάʊzɪŋ（米国英語）」で、カタカナ表記をしてみると「ハァゥズィン（グ）」に近いです。

以下のように他の単語と組み合わせて「住宅～」「～住宅」というフレーズを作ることができます。

例文：A debate will be held next week regarding housing issues in the area.
意味：この地域の住宅問題に関して、来週討論会が開かれます。

例文：As soon as the flooding occurred, temporary housing was set up in schoolyards.
意味：水害が起きるとすぐに、学校の校庭に仮設住宅が設置された。

まとめ

この記事では、「家」という意味で使われる2つの英単語「home」と「house」の違いを解説しました。
品詞の違いやニュアンスの違いを覚えて、ネイティブのように文脈やシーンによって使い分けられるようになりましょう。