英語の「メリット」「デメリット」ってどんな意味？正しい使い方を知っておこう

ゆういちろう ライター

学習塾で英語講師として33年の経験。多くの受験生達の志望校合格を実現してきました。英検指導にも精通し、小学生から高校生までの英検取得を支援しています。英語教育に対する深い理解と情熱を持ち、常に最新の教育方法を取り入れて、読者にとって有益なコンテンツを提供しています。教育に関する専門知識を活かし、信頼性の高い記事を通じて、皆様の学びをサポートしていきたいです。

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「メリット」「デメリット」はお互いに逆の意味を持った対義語です。
ある物事に利点や得になる点があれば「メリットがある」、反対に損失・不利益になる点があれば「デメリット」があると表現します。
この2つの語は英語から派生したものですが、元々の英単語は日本語と全く同じ意味で使うことはできません。

では、「メリット」「デメリット」はどんな英単語を使って表現されているのでしょうか？
今回は、ネイティブスピーカーが日常会話で使う「メリット」「デメリット」を意味する英語表現を紹介しましょう。

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日本語の「メリット」「デメリット」とは

日本語の「メリット」「デメリット」とは、物事を評価する時に使われる対義語です。
「メリット」は肯定的な評価を指し、自分にとって好都合である「利点、プラス面、得になる点、利益、良い面」があることを表します。
一方「デメリット」は否定的な評価を指し、「欠点、マイナス面、得にならない点、損失、悪い面」があり自分にとって状況が不利になる場合に使われます。

「メリット」「デメリット」は英語の「merit」「demerit」という単語から派生した和製英語で、日本のビジネスの場でもよく耳にします。

「merit」「demerit」という英語の意味は？

「メリット」「デメリット」の語源になった英単語「merit」「demerit」は実際に英会話で使われていますが、日本語とは少し含まれる意味が異なります。
「merit」は「長所、取り柄、美点」、「demerit」は「短所、落ち度、欠点」を意味する名詞です。

日本語の「メリット」「デメリット」のように、「利益になる点・損失になる点」といった意味では使わないので注意しましょう。

例文：Integrity is one of her chief merits.
意味：誠実さは彼女の長所の一つです。

例文：His only demerit is that he is always late for meetings.
意味：彼の唯一の欠点は、いつも会議に遅刻してくることだ。

例文：Your demerits should be able to turn into merits in some types of work.
意味：きみの短所は、仕事の種類によっては長所に変わることもあるはずです。

「メリット」「デメリット」を英語で言い換えるなら？

では、日本語の「メリット」「デメリット」の持つ「プラス面、利益」「マイナス面、損失」などの意味を英語で表す場合には、どんな単語が使われるのでしょうか？

pro / con

ネイティブスピーカーがカジュアルな日常会話でよく使う「メリット」「デメリット」に似た単語は「pro」と「con」です。
「pro」には「メリット、利点、賛成論」、「con」には「反対、反対論、反対者、反対票」といった意味があります。
複数形の「pros」「cons」という形で使うのが基本です。

特に、「pros and cons（プラス面とマイナス面、良い点と悪い点、賛否両論）」という定型フレーズでよく使われます。

例文：What are the pros of attending a private school for entrance exams?
意味：受験のために塾に通うことの利点は何ですか？

例文：A review of the documents shows that the pros outweigh the cons.
意味：資料を確認すると、メリットがデメリットを上回っていることが分かります。

例文：We will compare the pros and cons of these two proposals.
意味：この2つの提案について、長所と短所を比較してみます。

「pro」は「professional（プロ、玄人、専門家）」の省略形、「con」は「人をだます、ペテンにかける」という動詞としても使われます。

advantage / disadvantage

「pros」「cons」と同じくらいよく使う「メリット」「デメリット」を意味する表現は「advantage」と「disadvantage」です。

「pros」「cons」よりフォーマルなイメージを持つので、ビジネスシーンでも使えます。
「advantage」は「有利な点、好都合な点、利益、得、強み、長所」、「disadvantage」は「不利、不利益、 損失、不利な立場、不利な状況」という意味です。

2つの単語を組み合わせて、「advantages and disadvantages（利点と欠点、長所と短所、利得と損失）」の形でよく使います。

例文：This project has many advantages and should be taken to the next level as soon as possible.
意味：この企画には多くの利点があるので、早急に次の段階に進むべきです。

例文：Every solution has advantages and disadvantages.
意味：どの解決策にも長所と短所があります。

例文：List the advantages and disadvantages of participating in a project with Company A.
意味：A社とのプロジェクトに参加するメリットとデメリットを挙げてください。

upside / downside

日本語の「メリット」「デメリット」を表す時に使える3つ目の表現は「upside」と「downside」です。
本来はそれぞれ「上側、上部、上方」「物の下側、下部」を意味します。
その意味から、「upside」は「物事の良い面、将来見込まれる利点、プラス面」を、「downside」は「マイナス面、不都合な点、好ましくない点」を指すようになりました。

この2つの単語をセットで使って、「upsides and downsides（物の良し悪し）」と表現することもできます。

例文：There are many upsides to developing new products.
意味：新商品を開発することにはたくさんの利点があります。

例文：I tend to focus on the downside of things rather than the upside.
意味：物事のプラス面よりもマイナス面に注目しがちです。

例文：What are the upsides and downsides of living in the country?
意味：田舎に住むことのメリットとデメリットは何ですか？

benefit / drawback

「benefit」「drawback」という相反する単語も、日本語の「メリット」「デメリット」の訳に使われています。
「benefit」は「利益、利点、利得、ためになること、ためになるもの、便益」を、「drawback」は「欠点、不利益、不利、難点」などを意味する単語です。

また「benefit」は、「危険、恐れ、リスク」を指す「risk」と一緒に「risks and benefits（リスクと利点、危険性と有益性）」と使われることもあります。

例文：The benefit of obtaining a certification is that it will give you an edge in your job search.
意味：資格を取得する利点は就職活動を有利に進められることです。

例文：There are too many drawbacks to this project than benefits.
意味：この企画には利点よりも欠点が多すぎます。

例文：We should consider both the risks and benefits of using Company A’s services.
意味：A社のサービスを利用することのリスクと利点両方を検討するべきです。

まとめ

今回は、ネイティブスピーカーが日常会話で使う「メリット」「デメリット」の英語表現を紹介しました。
日本語の「メリット」「デメリット」の元になった英単語「merit」「demerit」についても、含まれる意味をしっかり把握しておきましょう。