Mrs.は誰に付ける敬称？Mr.、Miss、Ms.の使い方や職業別の呼称も解説！

川田 幸寛 英語コーチ / ライター

高校時代に英語を猛勉強し、校内偏差値が40→80にUP。大学では英語教育を専攻し、4年次にオーストラリアのパースへ留学。「話す」「聞く」にフォーカスを置いて、現地の人々や世界各国の留学生と交流を深めた。その結果、ケンブリッジ英検B2、TOEIC400→835を取得。現在は、海外へ行きたいけど英語に不安がある人たちのサポートや後押しをしている。

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“Mr.”“Ms.”“Esq.”など英語にはたくさんの敬称があります。どれが誰に使用できる敬称なのかと悩む場面もあるかもしれません。

今回は、よく使われる英語の敬称と読み方、使い分けを解説します。
相手の職業別に使い分ける敬称や時代の流れに合わせて使い方が変化した敬称もあるので、使いこなせるようにしっかり確認しておきましょう。

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そもそも敬称ってなに？

敬称とは、相手に対して敬意を示したい時に名前に付ける言葉です。
日本語では「～さん」「～先生」「～様」などが敬称に当たり、普通相手の名前の後ろに付けて使います。

女性に付ける英語の敬称と読み方

女性に使える英語の敬称はたくさんあります。日本とは異なり名字やフルネームの直前に付けて使うのが一般的です。
どのように使い分けたらよいのか、また女性への敬称をめぐる最近のトレンドについても解説します。

既婚女性には“Mrs.”

既婚であるとはっきり分かる女性を敬称で呼びたい時には“Mrs.（Mitressの略語）”を使用します。発音は「mìsɪz（米国）、 mìsɪs（英国）」なので、読み方は「ミスィズ」に近いです。
日本では「ミセス」という外来語が定着しています。

Mrs.Potter（ミセス・ポッター）
Mrs.Catherine Potter（ミセス・キャサリン・ポッター）

相手の女性が夫と離婚・死別後も夫の名字を使用しているなら、引き続き“Mrs.”を付けて呼ぶことができます。

独身女性には“Ms.”

独身女性を敬称で呼びたい時には“Ms.”を使用します。発音は「míz（米国、英国）」なので、読み方は「ミズ」です。

Ms.Potter（ミズ・ポッター）
Ms.Catherine Potter（ミズ・キャサリン・ポッター）

最近ではジェンダー平等の考え方が反映され、女性に付ける敬称は既婚・独身・年齢に関わらず“Ms.（ミズ）”が使われるようになっています。

女の子には“Miss”

もう一つ、独身女性に使える敬称に「Miss」があります。独身女性だけでなく小さな女の子を敬称で呼びたい時にも使える言葉です。発音は「mís（米国、英国）」なので、「ミス」と読みます。

「ミス・ワールド・ジャパン」「ミス日本コンテスト」などミスコン（ミス・コンテスト）のタイトルによく使われています。

Miss Potter（ミス・ポッター）
Miss Catherine Potter（ミス・キャサリン・ポッター）

騎士の女性には”Dame”

日常的に使われる敬称ではありませんが、騎士の女性には、「Dame」という敬称を使うことができます。発音は「déim」で、「デイム」と読みます。

Dame Helen Mirren（デイム・ヘレンミレン）

相手の女性の名前が分からない時

顔を合わせたばかりで、まだ相手の女性の名前が分からないという場面もあるでしょう。

アメリカの話し言葉には、その場合にも使える便利な敬称“Ma’am（マーム）”や“Madam（マダム）”があります。
意味は「ご婦人、奥様、お嬢さん」で、名前が分からない女性には名前を使わずこの一言だけで呼びかけられる便利な言葉です。

男性に付ける英語の敬称と読み方

男性に付ける敬称もいくつかあり、年齢によって使い分けができます。

大人の男性には“Mr.”

大人の男性を敬称を付けて呼びたい時には“Mr.（Misterの略語）”を使用します。
発音は「místəːr（米国、英国）」なので、読み方は「ミスター」です。

Mr.Brown（ミスター・ブラウン）
Mr.Michael Brown（ミスター・マイケル・ブラウン）

男の子には“Mstr.”

若い男性や男の子を敬称で呼びたい時には“Mstr.”を使用します。“Master”の略語なので、発音は「mǽstər（マスター）」です。

使用する年齢に特に決まりはありませんが、航空会社では12歳未満の男の子に使うことが多いようです。

Mstr.Brown（マスター・ブラウン）
Mstr.Michael Brown（マスター・マイケル・ブラウン）

弁護士の男性には”Esq.”

弁護士の男性には、“Esq.”という敬称を使うことができます。“esquire”の略語で、発音は「esk（エスク）」です。約100年前は、「Mr.」と同じ用法でしたが、現在では使われていません。

John, Esq. （ジョン・エスク）

相手の男性の名前が分からない時

男性の場合も、まだ相手の名前が分からない時に呼びかけられる便利な敬称があります。
“Sir”という言葉で、発音は「sə́ːr（米国）、sə́ː（英国）」です。「サー」と読み、名前を付けずに丁寧で敬意のこもった呼びかけができます。

Mr.？Ms.？どちらを使うか分からない時

名前しか知らない相手にメールやメッセージを送る時や、相手が男性・女性どちらの敬称も使ってほしくないと思っている場合もあるかもしれません。
そんな時には、どんな敬称を使ったらよいのでしょうか？

そうした場面では“Mx.”という敬称が使えます。

“Mx.”は最近になって登場したニュートラルな敬称で、“Mr.”“Ms.”“Mrs.”の“M”に「不明」を表す“x”を加えた単語です。「ミクス」や「マクス」と読まれ、主にイギリス英語で使用されています。

Sunday Walker Esq.（サンディー・ウォーカー・エクス）
Mx.Alexander Stanley（ミクス・アレクサンダー・スタンレー）

敬称を付ける時に注意すること

英語の敬称を使う時にはいくつか注意点があります。確認しておきましょう。

敬称は名字かフルネームの前に付ける

通常、敬称は相手の名字（ファミリーネーム、ラストネーム）やフルネームの直前に付けて使います。

Mr.Smith（ミスター・スミス）
Mrs.Suzan Lloyd（ミセス・スーザン・ロイド）

相手の性別が判断できない場合に使う“Esq.（エスク）”だけ使い方が異なり、名字やフルネームの後にコンマ“,”とスペースで区切ってから付けます。

Smith, Esq.（スミス・エスク）
Hazel Welsh, Esq.（ヘイゼル・ウェルシュ・エスク）

“Esq.（エスク）”が文の終わりに来る場合、ピリオド“.”は重ねて付ける必要はありません。

ピリオドの有無に注意

敬称には“Mr.”や“Mx.”など最後に省略を表すピリオド“.”が付くものが多いですが、“Miss”や“Madam”、“Sir”など省略形ではないためピリオドが付かない敬称もあります。
それぞれのピリオドの有無もしっかりと覚えておきましょう。

親しくなったら名前呼びが基本

日本とは異なり、英語圏で敬称を使う場面はそれほど多くありません。
面識ができて親しくなってくると、敬称は付けずに名前（ファーストネーム、ギブンネーム）やニックネームで呼び合うことがほとんどです。

よく知っている人なのに敬称を付けたまま呼んでいると、他人行儀でよそよそしい印象を与えてしまいます。
ある程度親しくなってきたり、相手からファーストネーム・ニックネームで呼んでほしいと言われたりしたら、敬称を使用するのは控えましょう。

職業別に使える英語の敬称・呼称

“Mr.”や“Ms.”などの敬称以外にも、相手の職業に合わせて使用できる敬称や呼称があります。いくつか代表的な敬称を確認しておきましょう。

相手の性別が判断できない場合に使う“Esq.”は弁護士を呼ぶ時の敬称にも使います。その場合も、名字やフルネームの後ろに付けて使用するのが基本です。

日本では学校の先生に「～先生」という敬称を付けますが、英語には「学校の先生」を表す特別な敬称は無く、“Mr.”や“Ms.”などの一般的な敬称を使用します。

まとめ

今回は、日常生活やビジネスでよく使用される英語の敬称と使い方を解説しました。
相手の性別や職業、場面に合わせて使いこなせるように、何度も確認してみてくださいね。