「Do you want me to～?」の意味は？日常会話で「want to」を使いこなそう！

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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「want to～」を使ったフレーズは、英語の日常会話の中でよく耳にします。
でも「want to～」＝「～したい」と覚えているだけでは、意味が通じない・違和感を感じるという場面も少なくないでしょう。

この記事では、「～したい」という意味以外に「want to～」をどんなニュアンスで使えるのか解説します。
様々な意味を持つ「want to～」をネイティブスピーカーのように使いこなしましょう。

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「want to」の意味は「～したい」？

「want to～」というフレーズは、英語の会話の中で確かに「～したい」と希望を伝える時に使われます。
主語を「I（わたし）」にすれば自分の希望を伝えられますし、「Do you want to～」と疑問文にすれば相手のしたいことを尋ねるフレーズにもなります。

例文：I’m hungry, I want to have lunch at a restaurant there.
意味：お腹が空いたから、そこのレストランでランチしたい。

例文：I want to go swimming in the ocean during summer vacation.
意味：夏休みになったら海に泳ぎに行きたい。

例文：Do you want to borrow a book from the library after school today?
意味：今日の放課後、図書室で本を借りたい？

例文：Do you want to go shopping for a gift for your mom?
意味：お母さんへのプレゼントを買いに行きたい？

「want to」と「would like to」の違いは？

「～したい」と希望を伝える「want to～」は英会話の中で使われてはいますが、これは子どもっぽいイメージのある表現です。
そのため、大人の日常会話で自分の希望を述べる場合には「I would like to～」という丁寧な印象を与えるフレーズを使いましょう。
カジュアルな場では、「I would like to～」を省略した形の「I’d like to～」もよく使われます。

また、相手の希望を尋ねる時にも「Do you want to～?」の代わりに「Would you like to～?」を使うのが一般的です。

例文：I would like to go to Australia next year to study language.
意味：来年になったら、オーストラリアに語学留学に行きたいと思っています。

例文：I’d like to buy a cover that fits this phone.
意味：このスマホに合うカバーが買いたいんだ。

例文：Would you like to see the hottest movie that was released last week?
意味：先週公開された話題の映画、見てみたいと思いますか？

「～したい」以外の意味で使う「want to」

「want to～」は「～したい」と希望を伝える場面だけで使われるフレーズではありません。
実は、ネイティブスピーカーは他にもいくつかのニュアンスを込めて、このフレーズを使っています。

ここでは、ネイティブスピーカーが会話や文章の中で使う「want to～」の様々な意味を紹介しましょう。
「want to～」＝「～したい」と訳すと違和感を感じる場合は、これら別のニュアンスで使われていないかを確認してください。

Do you want to～?（～してくれない？）

「want to～」は、カジュアルな場面で相手にお願いや依頼をする表現としても使われます。
「Do you want to～?」の疑問文の形で「～てくれる？、～してくれない？」というニュアンスです。
「Can you～?」と似た使い方と言えるでしょう。

「～してくれない？」とお願いする「Do you want to～?」が使われやすいシーンは2つあります。
1つは、その行動を相手にお願いしたいしっかりした理由が存在する場合です。
また、「自分は～をするからあなたは～をしてね」と分担をお願いする場面でもよく使われます。

例文：It’s starting to rain. Do you want to pick me up at the station?
意味：雨が降ってきちゃった。駅まで迎えに来てくれない？

例文：Do you want to send me our findings? I have to prepare the documents before the presentation.
意味：急いで調査結果を送ってくれない？プレゼンまでに資料を作成しなくちゃいけないんだ。

例文：I’ll vacuum. Do you want to mop the floor afterward?
意味：わたしが掃除機をかけるから、そのあと床にモップをかけてくれない？

フォーマルシーンや改まった場などでは、「Do you want to～?」や「Can you～?」は使えません。
「Would you〜?」「Could you〜?」など丁寧な依頼表現を使いましょう。

例文：Could you submit one idea for a new product by next week?
意味：新商品のアイデアを来週までに一つ提出していただけますか？

例文：My computer is not working properly. Would you find out what is wrong?
意味：わたしのパソコンが上手く動作しないんです。どこが悪いのか見ていただけますか？

Do you want to～?（～しない？）

「Do you want to～?」の疑問文は、お願いする時以外にも相手を誘ったり相手に提案したりする場合にも使われます。
「～しない？」と訳すのがぴったりです。

例文：Do you want to go to the newly opened restaurant in front of the station tonight?
意味：今夜は駅前に新しくオープンしたレストランに行ってみない？

例文：Today’s homework is difficult. Do you want to do it with me at my house after school?
意味：今日の宿題難しいね。放課後うちの家で一緒にやらない？

「～しない？」という意味での「Do you want to～?」も、カジュアルなイメージのフレーズです。
フォーマルな場では、丁寧な印象を与える「Would you like to～?」を使いましょう。

例文：Would you like to finalize our schedule for this weekend’s events?
意味：今週末のイベントのスケジュールについて最終確認をしませんか？

Do you want me to～?（〜しようか？）

「Do you want me to～?」で、相手が自分にその行動をしてほしいと思っているかを尋ねるフレーズになります。
直訳では「〜してほしい？」ですが、「〜しようか？」と訳す場合が多いです。

会話の中では始めの「do」が省略され、「You want me to～?」の形に変化することが少なくありません。

例文：It’s raining, so do you want me to drive you to the office?
意味：雨が降ってるからオフィスまで車で送っていこうか？

例文：I’ll take a Shinkansen ticket for my business trip. You want me to take yours too?
意味：出張のために新幹線のチケットを取るけど、きみの分も取ろうか？

「Do you want me to～?」はカジュアルなシーンで使えるフレーズです。
フォーマルシーンでは、「Would you like me to～?」や「Shall / Should I～?」など丁寧な表現を使いましょう。

例文：If your computer is not working well, shall I lend you mine for a while?
意味：パソコンの調子が良くないなら、わたしのをしばらく貸しましょうか？

例文：Would you like me to help you make slides for your presentation?
意味：プレゼンテーションのスライド作りをお手伝いしましょうか？

You want to～（〜した方が良いよ）

「want to～」は、主語に「you」を置いて相手にはっきりした助言やアドバイスをする表現としても使われます。
「〜した方が良いよ」と訳されます。

例文：You want to wear a mask in crowded places.
意味：人が多い場所ではマスクを付けた方が良いよ。

例文：You want to apologize to her about that as soon as possible.
意味：あのことについて早く彼女に謝った方が良いよ。

した方が良いことが相手にはっきり伝わりますが、「should」を使ったフレーズよりは柔らかい表現です。

You don’t want to～（～しない方が良いよ）

「You want to～?」を否定文「You don’t want to～」にすると、「～しない方が良いよ、～するのはやめた方が良い」という意味になります。
こちらも、助言・アドバイスであることがはっきり相手に伝わる表現です。

例文：You don’t want to use that cup; it’s cracked.
意味：そのコップ、ひびが入ってるから使わない方が良いよ。

例文：This food isn’t very good. You don’t want to order it.
意味：この料理はあんまりおいしくない。注文するのはやめた方が良いよ。

「～しない方が良いよ」と助言・アドバイスする時には、「should not～」や「had better not～」なども使われます。
助言のニュアンスは、「You don’t want to～」→「should not～」→「had better not～」の順に強くなります。

例文：You shouldn’t use that cup. It’s cracked.
意味：そのコップ、ひびが入ってるから使うべきじゃないよ。

例文：You had better not use that cup. It’s cracked.
意味：そのコップ、ひびが入ってるから使っちゃダメだ。

You may / might want to ～?（〜した方が良いかもよ）

「You want to～?」は、相手にはっきりした助言やアドバイスをする表現です。
それよりももう少し柔らかく丁寧に助言・アドバイスを伝えたい場合は、「may」や「might」を付け加えましょう。

「You may / might want to～?」で「〜した方が良いかもよ、～した方がいいのでは？、～したらどうでしょう？」というニュアンスが伝わります。
こちらは、初対面の人や目上の人などにも使えるくらい柔らかい表現です。

例文：If you have a lot of luggage, you may want to mail some of it to the airport.
意味：荷物が多いなら、いくつかは空港に郵送したらどうでしょう。

例文：You might want to cut back a bit on eating sweet treats for your health.
意味：健康のために、甘いお菓子を食べるのは少し控えた方が良いかもよ。

まとめ

この記事では、「～したい」以外の意味で使う「want to～」を解説しました。
英語の日常会話の中では今回紹介した「want to～」のニュアンスを知らないと意味が通じないということがよくあるので、しっかり覚えておきましょう。