英語で「感動する」「圧倒される」を表現するには？「言葉が出ない」などの類義語も紹介！

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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泣けるストーリーの映画や美しい絵画・景色などに感情が高まり、「感動した」「圧倒された」と感じることは日常生活でよくあります。
こういう場面で、英語ネイティブはどんな英単語やフレーズを使って自分の気持ちを表現するのでしょうか？

今回は、「圧倒される」「言葉が出ない」など何かに感動した時に使えるいろいろな表現を覚えましょう。

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英語で「感動した」「圧倒させられた」と言うには？

「感動した」「圧倒させられた」と伝える時に使える英語表現を紹介しましょう。

be touched

ネイティブもよく使う「感動」の気持ちを表すフレーズは「be touched」です。

「touch」は「触る、触れる、接触する、琴線に触れた」という意味を持つ動詞です。
「主語＋be動詞＋touched」の語順で、「～に感動した、～に心打たれた」などの表現ができます。
主に、人の行動や行為に感動した時に使うフレーズです。

「～touched me（～に感動させられた）」「～touched at my heart（～が心に響いた）」という言い方もよく耳にします。

例文：I was touched by her actions because she was concerned for her children.
意味：子どもを思う彼女の行動に感動させられました。

be moved

「感動」の気持ちを表すフレーズ二つ目は、「be moved（感動する、感激する）」です。
「move」は「移動する、動く」という意味の動詞ですが、「be moved」のフレーズでは「心を動かされる」というニュアンスになります。
「be moved to tears（感動して涙を流す）」という決まり文句もあります。

「be moved」は「I’m totally moved」「I’m so moved」などと強調の単語と一緒に使うことが多いです。
また、「feel（感じる）」の過去形を使って「I felt really moved」と表現することもできます。

例文：I was so moved to tears when I saw it.
意味：わたしはそれを見て感動し涙が出てしまいました。

be impressed

「be impressed」というフレーズでも、「感動した」と表現できます。
「impress」は「人に感銘を与える、人を感動させる」という意味の動詞です。

「主語＋be動詞＋impressed」の形で、「感動した、感心した、感銘を受けた、さすがだと思う」などのニュアンスを伝えられます。
何かに強い感銘を受けたり素晴らしい印象を持ったりした時に使う表現です。

感動した対象を主語にして「～impressed me（～に感動させられた）」と表現することもできます。

例文：I was impressed by the full French course prepared by the chef.
意味：シェフの作ったフレンチのフルコースに感動しました。

be overwhelmed

「圧倒される」「圧倒させられた」と表現するなら、「be overwhelmed」のフレーズが使えます。
「overwhelm」は「非常に強い気持ちを起こさせて人を圧倒する」という意味の動詞です。
通常、受け身形の「主語＋be動詞＋overwhelmed（圧倒された）」の形で使います。

例文：When I first saw Victoria Falls, I was overwhelmed by its power.
意味：ヴィクトリアの滝を初めて見た時、その迫力に圧倒されました。

「感動」の気持ちを伝える英語のスラング

「感動した」「圧倒させられた」と気持ちを伝える時に使われるスラング表現も知っておきましょう。

be blown away

「感動」の気持ちを伝えるスラング表現でよく使われるのは「be blown away（圧倒される、感動する、感心する）」です。
「blown」の原形「blow」は「吹き飛ばす」という意味なので、そこから「吹き飛ばされるくらい圧倒された」というニュアンスが生まれました。

「blow」の過去形を使った「～blew me away（～に圧倒された）」という言い方もあります。

例文：I was blown away by the beauty of the last scene of this film.
意味：この映画のラストシーンの美しさには圧倒されました。

It hit me right in the feels

「感動」の気持ちを伝えることができるスラング表現には、「It hit me right in the feels」という決まり文句もあります。
「hit～right」は「見事に的中する、ちょうど～に当たる」という意味を持つ熟語です。
「It hit me right in the feels」のフレーズで「めちゃくちゃ心に響いた＝感動した」というニュアンスになります。

例文：This fairy tale story hit me right in the feels.
意味：この童話のストーリーはめちゃくちゃ心に響きました。

wow factor

「wow factor」は、「人を感動させたり驚かせたりする原因や要因」を指すスラングです。
驚いた時に口から出る「wow!（わぁ！）」という感嘆詞と、「要因、要素、原因」を意味する動詞「factor」の組み合わせになっています。

例文：Its nonfiction video has a wow factor for everyone.
意味：あのノンフィクション映像には、誰もが感動する要素があります。

「感動」の気持ちを表す類義語は？

「感動した」「圧倒させられた」を別の表現で言い換えてみましょう。

言葉が出ない

「感動する」の類語には「言葉が出ない」という表現があります。
英語では「強い感情でものが言えない、言葉では表せないほどの」を意味する形容詞「speechless」や、「～を言葉で表現できない」という意味の「have no words for～」などを使ってみましょう。

「I was touched I couldn’t speak（感動して言葉が出ない）」という言い方もできます。

例文：She was speechless when John kneeled and proposed her with the ring.
意味：ジョンがひざまずき指輪を出してプロポーズしたとき、彼女は言葉を失っていました。

泣ける

もう一つの「感動する」と似た意味の言葉は「泣ける」です。
これを英語で表現するには「cry（泣く、涙を流す）」を使って、「～made me cry（～に泣けた）」と言えます。
感情の高まりを表す「emotional」という形容詞を使って、「～made me emotional（～に感動した）」「I get emotional（感動した）」という表現も可能です。

また、「tear-jerker（泣けるストーリー）」「hanky＋名詞（ハンカチが必要な～）」というフレーズもあります。

例文：As the ending of the story was so sad and beautiful at the same time, it just made me cry.
意味：その物語のエンディングはものすごく悲しくも美しいもので、私はただただ泣いてしまいました。

まとめ

今回は、「感動した」「圧倒された」などを表現できるいろいろな言い方を紹介しました。
日常生活で泣ける映画や言葉を失うほど美しい景色などを見た時に、ぜひ今回覚えた表現を使ってみてくださいね。