「but for」ってどんな意味？「without」との使い方の違いも解説！

シュン_2023 Webライター / 英語学専攻 / 英語教員

英語学専攻 / 英語教員歴9年

私立中学・高等学校に勤務し、普段は生徒に英語を指導。文法の基礎だけでなく、シャドーイングやアウトプット活動を重視した授業を展開。
特に英検２級と準１級の指導が多く、校内では外部英語検定チームの一員として英検研究に励んでいます。2次面接対策も生徒に行うことが多く、ほとんどの生徒は１発で2次試験に合格しました！

オンライン英会話を活用し、英検1級・TOEIC975点を取得。現在は、アプリを活用した英語学習を模索中。

WEBライターとして、英検対策や英語学習について発信するだけでなく、オンライン英会話のライティング添削なども行う。

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「もし～がなければ…だ」と仮定の話をする場合、英語では「if」で始まる文がよく使われます。
でも、仮定法の文を作る時に使えるのは「if」だけではないんです。

今回は、「but for」の意味と「but for」で仮定法の文を作る方法を解説します。
「but for」と似た「without」の使い方や、この2つの表現の言い換えはできるのかどうかも知っておきましょう。

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「but for」の意味と使い方は？

「but for」には、大きく分けて3つの意味と使い方があります。
基本的にどの使い方でも「but for＋名詞 / 名詞句」の文型で使います。
1つ目と2つ目の使い方では、仮定法と一緒に使うのが特徴です。

それではまず、「but for」の3つの使い方をそれぞれ詳しく解説していきましょう。

～がなければ

「but for」の1つ目の役割は、仮定法過去と一緒に使って「～がなければ、…だ」という文を作ることです。
「仮定法過去」では、現実にはなりそうにないことや現在の事実に反することを表現します。

基本的に「but for節」は文頭に置かれることが多いです。
「but for＋名詞 / 名詞句」の後ろに、区切りのコンマを置いてから「主語＋助動詞（would / could / mightなど）＋動詞の原形」を使ったメインの文を繋げます。

例文：But for the rain, we would be enjoying camping right now.
意味：雨が降らなければ、今頃キャンプを楽しんでいるでしょう。

例文：But for action, no matter how many good ideas you come up with, it would be useless.
意味：行動しなければ、いくら良いアイデアを思いついても無駄でしょう。

「but for＋名詞 / 名詞句」を使った「～がなければ」という文は、以下のように「if it were not for＋名詞 / 名詞句」を使った文と置き換えできます。

例文：If it were not for rain, we would be enjoying camping right now.
意味：雨が降らなければ、今頃キャンプを楽しんでいるでしょう。

～がなかったら

「but for」の2つ目の使い方は、仮定法過去完了と一緒に使って「～がなかったら、…だった」という文を作ることです。
「仮定法過去完了」では、現実には起こらなかったことや過去の事実に反することを表現します。

2つ目の使い方でも、「but for節」は文頭に置かれることが多いです。
「but for＋名詞 / 名詞句」の後ろに、区切りのコンマを置いてから「主語＋助動詞（would / could / mightなど）＋have + 動詞の過去分詞」を使ったメインの文を繋げます。
「but for節」の部分は、一つ目の仮定法過去と一緒に使う場合と文型は変わりません。

例文：But for the traffic on the roads, I would have been home much sooner.
意味：道路の渋滞がなかったら、もっと早く帰宅していたでしょう。

例文：But for the inspection work on the tracks, I wouldn’t have been late for work.
意味：線路の点検作業がなかったら、会社に遅刻しなかったでしょう。

「but for＋名詞 / 名詞句」を使った「～がなかったら」という文は、以下のように「if it had not been for＋名詞 / 名詞句」を使った文と置き換えできます。
「but for節」と異なり、時制によって「if節」の文型は変わるので注意しましょう。

例文：If it had not been for the traffic on the roads, I would have been home much sooner.
意味：道路の渋滞がなかったら、もっと早く帰宅していたでしょう。

～を除いて、～を別とすれば

「but for」は、「but for＋名詞 / 名詞句」の形で「～を除いて、～を別とすれば」という意味でも使われます。
この使い方の「but for」は文中で使われることが多く、「except（～以外は、～を除いては、～を別にすれば）」と言い換えが可能です。

例文：I did quite well on this exam but for math.
意味：数学を除いて、わたしはこの試験でかなり良い成績を収めました。

「but for」と「without」に違いはある？

「～がなければ」という意味を伝える英単語と言えば、「without」を思い浮かべる人も少なくありません。
「without」と「but for」には、意味や使い方において違いがあるのでしょうか？

「without」の意味と使い方

「without」は前置詞・副詞の一つです。
「without＋名詞 / 名詞句」の形で、「～なしで、～無しでは、～しないで、～がなければ、～がいなければ」などの意味になります。

「without」は「but for」のように、仮定法過去や仮定法過去完了の文と一緒に使うことができる単語です。
仮定法過去・仮定法過去完了どちらの文でも、「without節」の部分の文型は変わりません。
さらに、仮定法の文以外にも通常の文・疑問文・感嘆文などで幅広く使うことができるので、非常に汎用度が高く便利な表現と言えます。

例文：Without action, no matter how many good ideas you come up with, it would be useless.
意味：行動しなければ、いくら良いアイデアを思いついても無駄でしょう。

例文：Without the inspection work on the tracks, I wouldn’t have been late for work.
意味：線路の点検作業がなかったら、会社に遅刻しなかったでしょう。

例文：He missed work without notifying his supervisor of his absence.
意味：彼は上司に欠勤の連絡をせずに仕事を休みました。

例文：My grandmother still lives without a cell phone.
意味：祖母は今も携帯電話なしで生活しています。

「without＋名詞 / 名詞句」を仮定法過去の文で使う場合は、「if it were not for＋名詞 / 名詞句」と置き換えができます。
また、仮定法過去完了の文で使う場合は「if it had not been for＋名詞 / 名詞句」と言い換えが可能です。

例文：If it were not for action, no matter how many good ideas you come up with, it would be useless.
意味：行動しなければ、いくら良いアイデアを思いついても無駄でしょう。

「but for」と「without」は置き換え可能？

「but for」と「without」の2つの単語がそれぞれ置き換えできるかは、どちらをどちらと置き換えるのかで変わります。
例えば、「but for」を使った文の場合は「without」に置き換えることができます。
「but for」と同じく、「without」も仮定法過去や仮定法過去完了の文と一緒に使うことが可能であるためです。

しかし「without」を使った文の場合は、どのような文でも「but for」に置き換えられるとは限りません。
「without」が仮定法の文で使われている場合は「but for」に置き換えが可能ですが、それ以外の文章では置き換えできないと覚えておきましょう。

現在では「but for」はかなり改まった表現に分類されているので、フォーマルな場や改まった文章内でたまに使われる程度です。
カジュアルな日常会話で耳にすることはほぼありません。
そのため、普段の会話であれば「but for」ではなく、仮定法の文章もカバーできる汎用性の高い「without」を使う方が自然と言えるでしょう。

まとめ

今回は、「but for」の3つの意味やどのように仮定法の文を作ることができるのかを解説しました。
「but for」は「without」と言い換えることはできますが、様々な日常会話の場面で幅広く使えるのは「without」です。
「but for」は非常に改まった場面でのみ使われるフレーズであることを覚えておきましょう。