「習得する」は英語で「learn」？スキルや知識を学ぶ時に使える言い方を解説！

黒田莉々 英語研究家 / 翻訳家

三度のご飯の次に英語が大好きな「英語の人」。英文法や英文解釈が大好物。洋書や洋画が大好きで、そこから学んだ「使える英語フレーズ」は数知れず。
米国東部の四年制大学（社会学/文化人類学専攻）をCum Laudeで卒業。帰国後は大手英会話学校の専任講師を経て、大学レベルの英語講師を20年近く経験。

現在、フリーランスで著述業、通訳、翻訳業を営む。集英社よりビジネス英語の指南書「悪魔の英語術」を出版。TOEIC975点、英検１級

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新しい物事を習って覚え、身につけるという意味の「習得する」。
言語や知識、学問、スキル、技術、技能、習慣など様々なものに対して使える言葉です。

今回は、英語で「～を習得する」と言う時に使える動詞や熟語、フレーズを紹介します。
それぞれのニュアンスや使いどころの違いを例文で確認しながら覚えていきましょう。

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英語で「習得する」と言うには？

「習得する」を英語で表現するにはいろいろな動詞が使えます。

acquire

「習得する」という日本語のニュアンスと最も近い英語の動詞は「acquire」です。
「努力して得る、学ぶ、我がものにする、身につける、取得する、獲得する、ものにする」という意味があります。
発音記号は「əkwάɪɚ（米国英語）、əkwάɪə（英国英語）」で、読み方は「アクワイア、アクワイヤ」です。

「acquire」の過去形・過去分詞形はどちらも「acquired」と変化します。

「acquire」は、誰かに教えてもらったり時間をかけて勉強したりしながら、一生懸命努力して知識や技術を身につけていくことを表します。
「言語を習得する」「スキルを身につける」「習慣づける」など、努力して身につけたものであれば学力、スキル、知識、習慣などどんな分野でも使えます。
それらを完全に習得した後だけでなく、まださらに成長する可能性がある時期でも使える表現です。

例文： Every year, the library sets up a special corner with books that can help you acquire a variety of knowledge.
意味：図書館では毎年、様々な知識を身につけられる本の特集コーナーを設置します。

例文： He continued to study for 20 minutes every morning, so he was able to acquire English conversation within a year.
意味：毎朝20分の勉強を続けたので、彼は1年で英会話を習得できました。

「acquire」はフォーマルな表現で、改まった場面で使われます。

master

動詞「master」には、「熟達する、使いこなす、十分に習得する、極める、マスターする」という意味があります。
発音記号は「mˈæstɚ（米国英語）、mάːstə（英国英語）」で、読み方は「マスタ（ァ）」です。
「master」の過去形・過去分詞形はどちらも「mastered」と変化します。

「master」は、知識やスキルを完全に身につけ使いこなせているという状態を表します。

例文： In order to work overseas, it is necessary to master English.
意味：海外で働くためには、英語をマスターすることが必要です。

例文： Donald attended a driving school for six months and finally mastered how to drive.
意味：ドナルドは半年間教習所に通い、やっと車の運転を習得しました。

learn

本や誰かから教わって「学習する、学ぶ、勉強する」という意味でよく使われる「learn」も、「習得する、身につける」というニュアンスで使える動詞です。
発音記号は「lˈɚːn（米国英語）、lˈəːn（英国英語）」で、「ラーン」と読みます。

過去形・過去分詞形は「learned」で、イギリス英語では「learnt」という形も使われます。

「習得する、身につける」という意味を強調したい時には、「thoroughly（すっかり、徹底的に、完全に）」などを使って「learn～thoroughly（徹底的に～を習う）」といった表現もできます。

例文： Nancy learned knowledge of business management while in college.
意味：ナンシーは大学生の時に会社経営の知識を身に付けました。

例文： By the time he was 10 years old, he had already learned Japanese thoroughly.
意味：10歳になる頃までには、彼はすでに日本語を完全に習得していました。

「learn」は、いつの間にか身に付いた習慣などに対しては使えません。

gain

「gain」には、一生懸命努力して自分にとって価値がある知識や役に立つスキルを習得するという意味があります。
習慣や癖など、必ずしも価値があるとは言えないものに対しては使われません。

「gain」の発音記号は「géɪn（米国英語）、gen（英国英語）」で、読み方は「ゲイン」です。
過去形・過去分詞形はどちらも「gained」と変化します。

例文： Timothy gained programing skills at university and now works in London.
意味：ティモシーは大学でプログラミングを習得し、今ではロンドンで働いています。

例文： If you live alone, you should gain cooking skills.
意味：一人暮らしをするなら、料理のスキルを身に付けるべきです。

become proficient / expert

「～になる」という意味の「become」に「proficient（熟練した、堪能な、熟達して）」を付け加えて、「習得する、身につける」と表現することもできます。
「expert（技能が熟達した、熟練した）」などの形容詞も使われます。

例文： Janet become proficient at programming.
意味：ジャネットはプログラミングの技術に熟達しています。

例文： I want to become expert at web design, so I go to school every week.
意味：ウェブデザインを習得したいので、毎週スクールに通っています。

pick up

一生懸命努力を払って習得したのではなく、ただ見たり聞いたりして知識やスキルを身につけた時には「pick up」というイディオムが使えます。

例文： Children pick up their native language just by listening.
意味：子どもはただ耳で聞くだけで母国語を覚えます。

例文： Susan picked up Japanese while living in Tokyo for 10 years.
意味：スーザンは10年間東京に住んでいた時に、日本語を覚えました。

get into

習慣や癖などを身につけると表現する時には「get into」が使えます。

例文： I want to get into jogging every morning as a habit.
意味：毎朝のジョギングを習慣にしたいと思っています。

例文： She has gotten into drinking a lot of alcohol when she feels stressed.
意味：彼女は、ストレスを感じると何杯も酒を飲むようになりました。

まとめ

今回は、知識、スキル、習慣などを身に着けるという意味の「習得する」を英語では何と表現できるか解説しました。
それぞれ使える場面やニュアンスが少しずつ違うので、正しく使いこなせるように復習しておきましょう。